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ゼネコン、「嫌われる就職先」が一変し今や狙い目 匿名座談会「現場で働くリアル」を本音トーク

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 8時20分

Bさん 「足場を解体して建物の全体像が見えるときに感動する」、という人も多い。私は15年ほど前に、問題の起こったマンションを解体・新築するプロジェクトを担当したことがある。

入居者には仮住まいしてもらったのだが、建物ができて、内覧会を経て、最後に入居者にカギを渡すときに、一組のご夫婦から「元の生活に戻れる。ありがとう」と涙ながらに言われた。

このときに初めて、自分が微力ながらも社会貢献をしていると感じた。これから何を大事にして仕事をしていけばいいのか、と気づいた(覚悟を決めた)出来事だった。

Aさん 私は終業時刻が近づいて、電気を消すために建設中の建物の上から下まで降りていく瞬間が好き。工事中の建物は、昨日と今日では形が違う。少しずつ、変化、進行している。日中はあれこれと忙しくて全体を見られないけれども、終わりの時間に変化を感じられるのはいい。

気になる「職人さん」たちとの関係

――「チームで仕事ができること」を建設業の魅力として挙げる人も多いです。

Bさん 現場では喧嘩をすることもあるし、仲の悪い人も必ず出てくる。ただ、建物が完成すると、仲間としての一体感が生まれる。現場が終わって散り散りになっても、再会すると当時の記憶がよみがえってくる。

今でも現場で一緒に働いた職人仲間に会って、「久しぶり」と声をかけてもらうと嬉しい。日常の仕事でモヤモヤしていることがあっても、元気になる。

Aさん 私は職人さんに支えられた側面がある。みんなが先生だった。私の同期では、鳶職人(高所での作業を専門とする職人)と付き合った人もいる。職人さんは自分たちよりも知識があって、困ったときに助けてくれる。

とくに職長さん(作業グループのリーダー)は知識が豊富。「これはこうなる、だから危ないということがわかるよね」といったことを教えてくれた。職長さんを含めた職人さんは頼りがいがあって、女性から魅力的に映るのだろう。

Bさん 確かに、鳶職人と結婚した現場女子がいると聞く。現場には鳶職人が、組み立てから足場の解体まで携わるので(工期の)最初から最後までいる。現場にいる時間が長いので、自然に現場のリーダー的存在になる。

――今年は清水建設や西松建設など多くのゼネコンが建設作業着を刷新します。

Bさん ユニフォームがあるのは、いいことだと思う。スポーツチームと同じで、ユニフォームを着ているだけでも仲間意識ができてくる。われわれも安全や品質面において現場で闘っているので、スポーツと同じように一体感が必要な側面があるのではないだろうか。

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