1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

18、19歳成人でも喫煙・飲酒禁止はなぜ正しいのか 「成人なら喫煙や飲酒も自己責任」に危うさ

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 10時0分

我が国における成年年齢は,明治9年以来,20歳とされています。
近年,憲法改正国民投票の投票権年齢や,公職選挙法の選挙権年齢などが18歳と定められ,国政上の重要な事項の判断に関して,18歳,19歳の方を大人として扱うという政策が進められてきました。こうした政策を踏まえ,市民生活に関する基本法である民法においても,18歳以上の人を大人として取り扱うのが適当ではないかという議論がされるようになりました。世界的にも,成年年齢を18歳とするのが主流です。  
成年年齢を18歳に引き下げることは,18歳,19歳の若者の自己決定権を尊重するものであり,その積極的な社会参加を促すことになると考えられます。

すでに投票権年齢が18歳になっていること、世界的に18歳成人が主流であることが主な理由だ。

一方、喫煙飲酒年齢については、以下のように述べている。

民法の成年年齢が18歳に引き下げられても,お酒やたばこに関する年齢制限については,20歳のまま維持されます。また,公営競技(競馬,競輪,オートレース,モーターボート競走)の年齢制限についても,20歳のまま維持されます。  
これらは,健康被害への懸念や,ギャンブル依存症対策などの観点から,従来の年齢を維持することとされています。

筆者は消費者法、消費者教育を研究教育しているので、18歳成人については反対の立場をとった。日本弁護士連合会等も懸念を示していた。その理由は消費者被害拡大の恐れである。

未成年は法律上で保護される面も

民法では、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には、原則として、契約を取り消すことができるとされている(未成年者取消権)。成年年齢を18歳に引き下げた場合、18歳、19歳の者は、未成年者取消権を行使することができなくなるため、悪徳商法などによる消費者被害の拡大が懸念されたからだ。

消費者問題に携わる者の多くは成人年齢引き下げに反対の立場であったが、押し切られた形だ。筆者自身は強引と思われる政府の対応に、タバコやお酒の業界の引き下げへの圧力があるのかと想像したが、喫煙・飲酒年齢の引き下げ圧力を認識したことはなかったし、立法議論でこの点でもめた形跡もない。

逆に喫煙飲酒年齢の引き下げまで民法改正とセットで行えば、批判が大きくなり、民法改正もままならなくなるという考えもあったのかもしれない。

しかし、ひろゆき氏や野口氏のいうように18歳成人になったのだから、成人として喫煙や飲酒も自己責任で判断すればよいという考えは検討の余地がある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください