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企画が浮かばない元凶「思い込み」を排除する技術 「前提ありき」会話がもたらす思わぬ弊害とは

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 17時0分

最初に、IさんはGoogleで「オランダ 食事 明太子」と検索してみます。日本語で検索した結果を見ても、ピンとくる情報はヒットしません。明太子の通販サイトやレシピはたくさん出てきますが、オランダとの関係がイマイチわかりません。

続いて、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeでも検索してみました。すると、一般家庭での料理動画はいくつか見つかりましたが、だからといって、それ以上何かがわかるわけではありません。

1週間探しても、「これだ!」という欲しい情報が見つからないまま、「完全に迷子になってしまった」とガッカリしていました。

皆さんもアイデア出しに悩んだとき、スマホやパソコンで関係するキーワードを手当たり次第に検索することがあるでしょう。しかし、なかなか納得のいく情報は得られないものです。

それでも私は彼女にあきらめずに、検索し続けるよう伝えました。できる限り人々の生活がなまなましく見えるような情報に触れながら、自由に考えることを勧めてみたのです。

そして、このプロセスこそがIさんを大きく前進させていきます。

検索を始める前の彼女は、オランダの日常生活をこんな風にとらえていました。

・オランダは節約家が多く、どちらかといえば食事にこだわりはない
・オランダでは質素な食事が好まれている
・オランダでは、夫が料理を作ることが多いため、「時短レシピ」が人気

しかし、ネットの世界を見て回った結果、Xのポスト内容やInstagramの写真、YouTubeの動画から浮かび上がってきたオランダの人々の生活は、彼女の想像とは少し違っていました。

ピッタリした「答え」を探すのではなく、人々の生活をたくさん見続けて、自分と会話し続ける。そのことで「思い込み」が消え去り、次に何をするべきかの課題が見えてくるのです。

その中で、彼女には次のような課題が見えてきました。

① 過去10年間で、オランダで海外のべ物が取り入れられ、人気になった事例は?
② 最も古典的なオランダ料理、伝統的なオランダ料理は?
③ そもそも、オランダでは人々はどのように暮らし、買い物をしているのか?

この3つはいずれも、オランダに明太子を輸出する上でのヒントになりそうです。いずれも、よくある「問い」に見えるかもしれませんが、大切なのはこの「問い」にたどりついたプロセスです。必死に調べ、考え抜いた上で出てきた疑問なのです。

そして、Iさんはこう言いました。

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