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企画が浮かばない元凶「思い込み」を排除する技術 「前提ありき」会話がもたらす思わぬ弊害とは

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 17時0分

「オランダの伝統料理を出してくれるレストランを見つけました。店主もオランダの方のようです。一度伺って、お話を聞いてみたいと思います」

Iさんに、見事な「WHAT」のアイデアが生まれた瞬間です。私たちはさっそく、レストランに予約をとり、オランダ人の店主を訪ねることにしました。

自分の仮説を確認してはいけない

仕事をする上で疑問が生まれ、誰かに話を聞くということ自体は、すでに経験がある方も多いかもしれません。このとき大切なのは、「自分の仮説を検証するために、人に会うわけではない」と肝に銘じることです。

あなたが「仮説が正しいかどうか」を確認するための質問をすればするほど、アイデアからは遠ざかっていきます。今は、仮説を確かめたいという欲求をいったん脇によけて、もっと多くの話を聞くべき段階です。

繰り返しになりますが、あなたが今持っている仮説も、思い込みかもしれません。つまり、凝り固まった自分の意見にどんどん支配されていくリスクもはらんでいるのです。

これを専門用語で「バイアス」と呼びます。

例えば、「日本に、自国の食材を輸出したい」と考えているオランダ人がやってきて、あなたに質問したとします。

「日本人は朝、昼、夜は何を食べていますか」「日本人は食事を作るのに、何分ぐらいかけていますか」「日本人はどのような基準で食材を選びますか」。そんな風に質問されたあなたは、どのように感じるでしょうか。

たしかに、あなたは日本人ではあるけれど、“日本人代表”ではないので、困惑することでしょう。

それでも相手の役には立ってあげたいという優しい気持ちから、「この人にはどのような情報を提供すれば喜んでくれるだろうか」といったことを無意識に考えてしまうはずです。

「日本では、朝食には味噌汁を飲んだり、納豆を食べたりします。昼食は体に気を遣い、そばを食べることが多いです。夜はできるだけカロリーや栄養を考えて自炊します」

ありのままの自分で相手と会話する

でもそれは、本当にあなたのありのままの姿でしょうか?

うそではないけれど、本当は朝食を食べず、バナナ1本程度ですませることが多かったり、昼はコンビニおにぎり、夜はウーバーイーツでしのぐという日が大半だったとしても、つい、相手が望む姿に近づけて答えてしまうというのはよくある話です。

自分が聞きたいことや、確認したいことについて質問するのは「会話」ではありません。

このステップで大切なのは、自分の仮説を確かめるのではなく、相手としっかり会話することなのです。

アイデアを見つけるために、ぜひ友達と普通におしゃべりをするように、話を展開してみてくださいね。

鹿毛 康司:株式会社かげこうじ事務所代表/マーケター/クリエイティブディレクター

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