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会社員が「15年で漫画飯600食再現」情熱の原動力 「深夜食堂」や「きのう何食べた?」など数々再現

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 12時0分

そんなときに作ったのが『深夜食堂』(安倍夜郎)1巻に登場する「牛すじ大根玉子入り」のおでんだ。

「『深夜食堂』を読んで、おでんってこんなに少ない具材で成立するんだ、と印象的で。思い立って週末に作ってみたんです」

このおでんは、登場人物「まゆみちゃん」の大好物、という設定。梅本さんは何時間もかけておでんを作り、〈牛すじでビール一本…… 大根で冷や二杯…… ゆで玉子の黄身を半分出汁でといて……〉というまゆみちゃんの食べ方をなぞってみた。

「めちゃめちゃ楽しかったですね。どうやったらこのおでんを作れるかなと考えて、レシピを工夫したり、食べ方を真似したり。単なる“家事”だった料理が“趣味”になったと感じました」

「ネット上に残せば同じ趣味の人に届くかも」と考え、2008年からマンガ飯をブログにアップ。梅本さんのマンガ飯は反響を呼び、2012年には著書『マンガ食堂』を出版。2017年には「マツコの知らない世界」に2度も出演した。

「マンガ飯は、漫画で見ていた白黒の料理が、色のある現実世界で再現されるところにおもしろさがあると思います。だから、作る側にも見る側にも感動を与えてくれるのかもしれません」

下ごしらえや調理に数日かかることもある

梅本さんのマンガ飯再現は、気になるマンガ飯を専用ノートにメモすることから始まる。

「ときどき見返して、『いまならこれを作れるかも』『この時期を逃したら作るのは1年先』などと考えていきます」

作るマンガ飯を決めたら、絵や前後の話から推測したり、ネットや本で調べたりしてレシピを考える。料理漫画のように作品中に詳細なレシピがあっても、単行本を汚したくないのと、レシピを頭に入れる意味もあり、必ずノートに書き写す。

下調べが終わったら、いよいよ調理だ。梅本さんにとってマンガ飯は「普段の自炊を楽しくするためのもの」だという。そのため1時間もあれば完成する料理が大半だが、料理によっては材料を干す、数日煮込むなどの工程があり、完成まで数日かかることもある。

“わが家の定番”になったマンガ飯があるかどうか、梅本さんに聞いた。

「いろいろありますよ。『きのう何食べた?』(よしながふみ)の10巻に登場する『豚バラ、キャベツ、にら、春雨のモツ鍋風』がおいしくて手軽なので何度も作っています」

「『あたりまえのぜひたく。─いくら 塩鮭 ぜひたく親子丼。─』(きくち正太)の自家製いくらもおいしくて、毎年、筋子が出る時期に作るようになりました。最近は、『かしましめし』(おかざき真里)3巻の『時短酢のもの』をくり返し作っていますね。1時間で味がしみておいしいんです」

漫画を忠実に再現、高価な食材を使うことも

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