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会社員が「15年で漫画飯600食再現」情熱の原動力 「深夜食堂」や「きのう何食べた?」など数々再現

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 12時0分

マンガ飯はなるべく漫画に忠実に作ることを大切にしているため、普段の料理ではまず手に取らない、高価な食材を購入することもある。

「槇村さとる先生の『おいしい関係』2巻に出てきた『黄金のコンソメスープ』の再現では、500グラム5000円の和牛のイチボ肉を取り寄せました。いまならスープを取ったあとのお肉をミートソースに活用するところですが、料理の知識があまりなかった当時は、お肉を出し殻と思って捨ててしまって。いまだに後悔しています(笑)」

その一方で、再現したいが、なかなか手をつけられないマンガ飯もあるそうだ。

「『なんて素敵にジャパネスク 人妻編』(山内直実、原作:氷室冴子)に登場する甘葛(あまづら)の削り氷(かき氷)ですね。再現が難しい甘葛のシロップはクラウドファンディングで3万円を寄付して手に入れたのですが、氷をどこから調達すべきか、かき氷機なしにどうやって氷を削るかなど、下調べに時間がかかっています。“日本のトリュフ”と呼ばれる松露を使った『てだれもんら』(中野シズカ)に出てくるお吸物、『ドラえもん』に出てくる「百年後のおかし」も、いつか再現したいマンガ飯です」

梅本さんにとって、仕事と趣味は互いに影響し合っているものだという。仕事で広告やメルマガ、ブログ、YouTubeのプロジェクトに関わってきたからこそ、マンガ飯の発信にブログやYouTubeを使おうと思いつき、逆に、趣味で得た知識が仕事に活きる場面もあるという。

だが、趣味は「絶対的に自由な自分の領域」。仕事とは明確に分けるのが、趣味も全力で楽しむ梅本さんが大切にしていることだ。

「『孤独のグルメ』(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)の井之頭五郎が言う、有名なセリフがありますよね。〈モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで豊かで……〉。これが私にとっての趣味の概念そのもの。誰にも邪魔されない趣味があるからこそ、仕事が大変なときも頑張れるんじゃないかと思っています」

マンガ飯を作るタイミングも自分の自由

長年働き続けていれば、仕事の波もあるし、家庭の状況も変わる。それでも趣味を続ける秘訣はどこにあるのだろうか。

「趣味をプレッシャーにしないことですね。ほかに優先すべきことがあったら無理に作らないし、更新が数カ月滞っても仕方ないと思うようにしています。更新頻度も再開時期も自分の自由ですから、忙しくてもマンガ飯の再現をやめようと思ったことはないですね」

マンガ飯の再現を始めたことで、「一生遊べる退屈しない趣味を見つけた」と梅本さん。いつか仕事を引退したら、料理学校で勉強をすることも考えている。

「料理の素人であることが壁になって再現できない料理もありますから、一から学んでみたらどうかなと。再現が難しい料理も作れるかもしれない、といまから楽しみにしています」

【写真17枚】600食以上のマンガ飯を再現!『ダンジョン飯』『きのう何食べた?』『深夜食堂』などこれまで再現した料理の数々。【記事に載せきれなかった写真も掲載】

横山 瑠美:ライター・ブックライター

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