週刊誌記者が実践「圧倒的に距離が縮まる」会話術 相手が「心を開く」話し方のセオリーを紹介
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 16時0分
渋谷のど真ん中で売り上げを競う109店員と、張り込みや突撃取材で特ダネを狙う記者。その両方の経験を持つ山田千穂さんは、仕事を通じて「効果的な聞き方」を学んだそうです。
山田さんの新著『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』から抜粋し、3回にわたって「聞き方のコツ」を紹介します。
前回記事はこちら:『前職「109店員」現職「週刊誌記者」の本音の引き出し方』
相手が話したいことから聞く・伝えるとうまくいく
取材で会う人のことは、可能な限り調べて下準備をします。そのとき必ず意識しているのは、相手にとって何がメリットかを知ることです。
たとえばタレントや俳優は、近く公開される番組、ドラマ、舞台などの出演作があれば、1人でも多くの人に宣伝したいはずなので、最初に聞くようにします。
「雑誌の記者が出演作の話を聞いてくれるということは、もしかすると記事に書いてくれて宣伝になるかも」と思って、話をしやすくなるからです。
経営者はもちろん、一般の方に会うときも、その人が今何をしていて、どういうことをアピールしたいのか、ホームページやSNSを必ずチェックします。そして、相手が自分から話したくなることを考えて、最初に聞くようにしています。
最近、美容医療の取材をすることが多いのですが、ある美容クリニックに伺ったときも、事前に調べておいた最新の美容機器について質問しました。
するとクリニックの院長が、「日本ではまだ発売されていないんだけどね」と裏情報を教えてくれたので、前のめりでお話を聞いたことは言うまでもありません。
相手が話したいことを想定して、話し出せる空気をつくったうえで、ちゃんと耳を傾けているうちに、少しずつ心を開いてくれます。するとこちらにも徐々に興味を持ってくれて、聞きたい話も聞きやすくなり、結果的に自分にもメリットがあるわけです。
「あなたに会うと元気になる」と思ってもらうには?
会った人にメリットを感じてもらいたいとき、ストレートに喜んでもらえるワザは、「あなたに会えて嬉しい!」「話を聞けて嬉しい!」という気持ちを全力で表現することです。
私は学生時代、自分の興味から経営者の方を訪ねてお話を伺うということをしていたのですが、そうした自分より立場や年齢が上の方に対して、自分に会うことのメリットを考えること自体が、おこがましいかもしれません。
でも、違う視点で考えると、とても忙しい方々に時間をいただくわけなので、相手のメリットを考えることも礼儀の一つでは? と思うのです。
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