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「営業トーク」やめた彼の営業成績が上がったワケ 「売ろうとするから売れない」のは本当だった

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 16時30分

私が一緒に部屋探しをしているお客さまには、6年かけてまだ理想の家が見つかっていない方もいます。何度かこれに決めようかということがあったのですが、私がベストだと思った物件は、お客さまが「もう少しバルコニーが広いほうが……」と言って断念。

逆に、そのお客さまは気に入ったのに、私が違和感を抱いてしまい、「ここはやめましょう」と言ってやめた物件もありました。

結局、今も理想の家が見つからないまま、もう6年、探し続けています。しかし、その分、そのお客さまとも長いお付き合いとなり、「ここに引っ越して本当によかったと思える家を探そう」ということで思いは一致しています。

そこまで時間をかけるお客さまは少数派ですが、どのお客さまに対しても、時間の許す限り妥協せず、お客さまの未来にとって一番いい選択肢を見つける。それが正直営業です。

お出迎えの時間で気持ちを整える

お客さまをお出迎えするとき、私は待ち合わせの10分前にビルの入口の外に立ち、お客さまがいらっしゃるのを待つようにしています。

雨の日も雪の日も、真夏の暑い日もスーツとネクタイを着用して外で待っているので、初めてのお客さまはとてもびっくりされます。お出迎えだけでなく、お客さまが帰るときもビルの外までご一緒して、姿が見えなくなるまでお見送りをします。

このようなお出迎えをする理由は、弊社は紹介制のため、あえてビルに目立つ看板もつけておらず、正直、ちょっとわかりにくいからです。

そして、何よりこのようなお出迎えをすることで、お客さまに喜んでいただきたいというのがあります。これは私自身の体験談からくるものです。

以前、六本木にある飲食店に行ったときに、帰り際に数名のスタッフが店の出口まで見送ってくれました。そこまではよくあると思いますが、お客である我々がエレベーターに乗り込み1階に到着すると、なんと、そこには上から階段で駆け下りてきたスタッフが、腕立て伏せをして待っていたのです。

それを見て、「ああ、お客さまのお見送りにも、楽しんでいただく気持ちやおもてなしの気持ちを大切にしているんだな」と、驚きとともに非常に感動しました。

さすがにダッシュをしたり腕立て伏せはしませんが、それ以来、ビルの入口の外でお客さまをお待ちしたり、お見送りするようになりました。

お客さまへの気持ちを整える貴重な時間10分前からお出迎えすることは、私にとっても貴重な時間です。私は平均して1日3組ほどのお客さまを内見にご案内して、夕方からは初めてのお客さまと面談をして、ヒアリングします。1日3〜4組くらいのお客さまに会い、その合間に物件チェックや事務作業も行わなくてはなりません。

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