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ヴィレヴァン300店巡って見えた「人材育成の失敗」 POPを書けない、サブカルに疎い店員増加の背景

東洋経済オンライン / 2024年7月27日 13時0分

最新決算で大赤字のヴィレヴァン。本当に「マズい」ことになっているようだ(写真:ヴィレ全さん提供)

7月12日、「ヴィレッジヴァンガード」を運営する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションが、2024年5月期の決算を発表した。

【画像】「POPが書けない、サブカルに疎い店員が増加」…大赤字のヴィレヴァン。店舗の外観やPOPを見る(10枚)

最新決算で大赤字のヴィレヴァン

売上高は約247.9億円で、前期の約252.8億円から約2%の減少。営業利益は9.15億円の赤字で、11.4億円もの最終赤字となった。その結果、自己資本比率は27.1%まで低下。資産の多くを「商品」が占める業態としては、危険水域……とまではいかないかもしれないが、あと数年でそうなってもおかしくない状況だ。

筆者はかねて、ヴィレヴァンについて、凋落の理由を考察してきた。詳細は過去の記事「ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになってた 『遊べる本屋』はなぜ魅力を失ってしまったのか」を見ていただくとして、ここであげた凋落の要因は「サブカルの地位低下」と「世界観を強く訴求することが、現代では通用しにくくなった」の2つだ。

【画像】「POPが書けない、サブカルに疎い店員が増加」…大赤字のヴィレヴァン。店舗の外観やPOPを見る(10枚)

そんな同チェーンだが、全国にはヴィレヴァンを愛し復活してほしいと願う人々がいる。Xで活動する、「ヴィレヴァン全店まわるひと」さん(ヴィレ全さん)も、そんな一人だ。

そのアカウント名通り、日本全国にあるヴィレッジヴァンガードを一軒ずつめぐりながら、各店の様子をXで発信。店舗では名刺を渡し、時に酒を飲み交わしながら、現役従業員からも多くの話を聞いてきたという。

今回は、そんなヴィレ全さんから見た、ヴィレヴァンの現在の姿と、リサーチを重ねて気付いた“本質的な問題”についてお伺いした。

「小さなアニメイト」化するヴィレヴァン

ヴィレ全さんは、3年ほど前から、この名前での活動を始めた。

「ヴィレヴァンは現在、300店舗ちょいあるのですが、そのほぼすべてに行きました。足を運べてないのはおそらく、北海道の帯広店、釧路店、そして千葉県の銚子店の3店舗ですね。もともと、仕事が全国を飛び回る仕事なのですが、それに合わせて店舗巡りもしています」(ヴィレ全さん)

そんなヴィレ全さんは、現在のヴィレヴァン店舗をどう見るか。

「すべての店舗に通じる話として、商品ラインナップが“普通”になってきていると感じます。

ヴィレヴァンは店舗パターンが4つあるんですが、それぞれで様子が違います。東京にあるような路面店だと、訪れる人の年齢層はかなり高い。一方、イオンモールなどに入っている店舗は、家族連れが多くて、子供も多い。ただ、こうした店舗は、YouTuberやVTuberのグッズが多くて、ちょっとしたアニメイトみたいな感じなんです」(ヴィレ全さん)

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