「アイドルは引退後どうする?」"第2の人生"の現実 「履歴書の書き方がわからない!」リアルな実情
東洋経済オンライン / 2024年7月28日 9時1分
「会社員になる」ということ。これは、8年間アイドルとしてすべてを懸けてきた佐々木さんにとっては、本当に「新たな挑戦」だった。
「8年間アイドルグループをやってきた中、アルバイトもやってたのですが、もう毎日目まぐるしい日々で、将来のことを考える暇もないというか……。もちろん『ゆるめるモ!』を辞めるなんて思ってもいませんでした」(佐々木)
そのころのインタビューでは、「自分が会社員になるなんて100%ない」とまで言っていたという。
「将来のことは考えられない」というその全力が、佐々木さんをアイドルとして輝かせ、多くのファンを魅了した。だが同時に引退後の将来に関して、まったくといっていいほどのノープランであることも浮き彫りとなった。
「辞めるのを決めたのは卒業の2年前くらいです。それはグループの未来を考えて辞めることを決めたのですが、そのときに『辞めたあとに自分がやりたいことはなんだろう』と考えると、何もなかったんですよね」(佐々木)
「アイドル以外にできることが何もない」
今回の取材に限らず、筆者は卒業したアイドルに話を聞くことが多いが、なかでもよく耳にする言葉がこれだ。
彼女たちはあまりにもアイドルに全力であるために、「自分自身がアイドル以外に何ができるのか」「どういった能力があるのか」を客観視できておらず、卒業後のことが考えられないといったものである。
佐々木さんも例外なく、そのパターンにはまっていた。
「そうですね。自分のスキルが可視化できていないですし、『アイドルスキル以外で何かできるものがあると思っていなかった』というのは事実ありました」(佐々木)
加えて佐々木さんは、資格取得の大切さも語ってくれた。大変だとは思うが現役時代に資格を取得しておけば自信にもなるし、スキルが身につくと。
「アイドル・セカンドキャリアのロールモデル」となる
そしていま、佐々木さんは自身のこれまでの経験を踏まえてひとつの課題を持ち取り組んでいることがある。
それは自分自身の経験を公表し、「アイドルのセカンドキャリアのロールモデル」になるということだ。
「私は8年間、自身の病気を抱えながらやっていました。ひとつはパニック障害です。いま、就職して満員電車に乗ったりするのがツラいなということが(当時から)引き継いでいるなと……」(佐々木)
“パニック障害”アイドルを辞めてからも、なお彼女をを苦しめている病だ。そしてさらなる病が佐々木さんを襲う。
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