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佐久間宣行に学ぶ「くすぶる中堅」を伸ばすヒント インパルス板倉をコンビどん底から救った企画

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 12時0分

佐久間宣行さんと板倉俊之さん(写真:NOBROCK TV公式Xより引用)

『佐久間宣行のずるい仕事術』でも知られる人気プロデューサー・佐久間宣行さん。2021年にテレビ東京から独立して、現在は地上波各局やネット配信サービスの番組制作、YouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』の運営など、活躍の場を大きく広げています。

【写真】「ゴッドタン」や「SWITCH」など、さまざまな媒体で話題になる佐久間さん

佐久間さんの手がけた企画を見ていると、数々の芸人さんが他では見せていなかった面白さや魅力を巧みに引き出しているなと思います。そして、これは、企業における人材育成の大きな参考になると感じました。

そこで本記事では、今の日本社会における人材育成の課題についてまずお話ししたうえで、課題解決のヒントを佐久間さんの例から探っていきたいと思います。

経営課題となるタレントマネジメント論

日本企業において「人的資本に応じて、いかに経営を行うか」は永遠のテーマです。そのなかでも、企業が人材をどうやって生かすかを考える際に参考となるのが「タレントマネジメント論」です。

タレントマネジメント論とは、社内の人材を“タレント”として見立てたうえで、その才能や個性をいかに開花させて企業の成長や革新につなげていくか、育成や戦略的な人事を行うための考え方や理論です。

旧来型の人材育成では、「適者生存」。つまり会社の中で一握りであるトップ層を目指すよう、社員たちを競わせていました。これでは、競争レースから脱落してしまった人材は放置されてしまい、なおざりになってしまいます。

会社を成長させるためには、適者生存ではない「適者開発」型の人材育成が必要なのではないかと思います。個々人の社員の資質や才能を把握したうえで、その人のよさを引き出し、開発していくような仕組みや機会を作っていくことです。

多様性を受け入れ、個を生かすマネジメント

佐久間さんは、まさに芸人やタレントを起用する際に、それぞれの強みを生かしており、人材育成の観点で参考になる部分が大いにあります。

お笑いの世界では、全員が全員「M-1グランプリで優勝」など、お笑い芸人の頂点に立ちたいという話でもありません。また、頂点に立った人ばかりが売れる、番組に出れるというわけでもないでしょう。それぞれの芸風や個性、持ち味を生かしながら、どう社会で受け入れられるようにしていくのかが、プロデューサーの大事な役目だと思います。

例えば、『はねるのトびら』『エンタの神様』などで人気になったインパルスの板倉俊之さん。かつてコント師としてコンビで注目を浴びたものの、相方・堤下敦さんの度重なる不祥事で、板倉さん単独での活動が中心になりました。

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