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MIXI、苦闘続く「モンスト頼み」脱却への高い壁 かつての教訓生かすも、いまだ売上の7割を依存

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 9時0分

かつてSNS「mixi」で一世を風靡したMIXI。いま再び、一本足打法からの脱却にもがいている(撮影:今井康一)

「『モンスト』一本足からの脱却に、想定より時間がかかっている」

【図表で見る】MIXIの業績推移。モンストの大ヒット一巡後は停滞が続く

スマートフォンゲーム『モンスターストライク』を運営するMIXIの木村弘毅社長は、会社の現状をそう明かす。

かつてSNS「mixi」で一世を風靡したMIXI。スマホの普及への対応の遅れにより、フェイスブックやLINEなどにユーザーを奪われ、mixiの広告収入に依存していた業績は一時、ジリ貧状態に落ち込んだ。

起死回生をもたらしたのが、モンストの大ヒットだ。

2013年に正式リリースされてから急成長を遂げ、累計利用者数は6200万人を突破。10年以上経った今も、「鬼滅の刃」「推しの子」といった他社の有力IPとのコラボイベントなどの施策によってユーザーを呼び込み、国内のスマホゲームの売上高ランキングでは毎年上位に位置している。

モンスト関連収益はピークの約半分に

ただ、そのモンストも一時期ほどの勢いはない。

セグメントの区分方法の変更などにより単純比較はできないが、モンストを柱とするスマホゲーム関連事業は2016年3月期に売上高1953億円、セグメント利益997億円を稼ぎ出していたものの、2024年3月期には売上高988億円、セグメント利益385億円と、約半分にまで縮小している。

2022年からは、モンストのIPをフル活用して収益機会を拡大すべく、スピンオフゲーム『モンストシリーズ』を6本リリースした。しかし結果として不発に終わり、今年5月までにすべてのサービスを終了した。「開発費をかけずに大量にゲームを投下しようという戦略だったが、国内で面を広げることができなかった」(木村社長)。

そこで5月に新たな戦略として掲げたのが、インドをはじめとした新興国での展開だ(インド進出の詳細を語った木村社長のインタビューはこちら)。

現在、モンストのユーザーのほとんどは国内だ。海外展開も試みたが、2020年までに北米や中国などから撤退し、現在は台湾、香港、マカオのみと苦戦している。

木村社長は市場規模の大きい北米や中国からの撤退について、「北米ではPCで遊ぶ文化が出来上がっていた。中国ではテンセントのプラットフォームを活用してインストールを促したが、身近な友人を誘って一緒に遊ぶ環境を作れなかった」と反省する。

インドではスマホの普及とともにスマホゲーム市場が拡大し始めているが、日本のように完成度の高いゲームは多くない。その中でモンストを流行させ、国内と同じように友人と一緒にスマホゲームで遊ぶ文化を醸成できるかどうかが重要になる。長期的には、インドを皮切りにアフリカや南米など新興国での拡大も狙う。

モンストに並ぶ柱はいまだ不在

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