コロナ再拡大、変異株「KP.3」はどんなウイルスか 一度感染した人も要注意!押さえたいポイント
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 8時0分
冒頭のAさんもそうだったが、感染の有無をすぐに確認するために、自宅で抗原検査キットを使用する人もいるだろう。これにはいくつかの注意点があるという。
まず、研究用のものは精度が落ちるため、使用はお勧めしない。次に、保管しているものは使用期限も確認したほうがいい。期限切れのものは正確な結果を得られない可能性があるからだ。
「抗原検査の場合、陽性であればほぼ信頼できますが、陰性なら正確に検査できていない可能性もあり、感染初期には検査の空振りのケースもあります。家族にすでに数人感染者がいるような状況で発熱したなら、検査で陰性でもコロナと考えていいでしょう」(岡医師)
ところで、コロナは「ただの風邪」とみていいのかどうか。これについては、そうとはいえないようだ。
例えば、コロナではさまざまな後遺症が残ることも報告されている。特に「ロングCOVID」と呼ばれる後遺症は、咳や倦怠感、息切れなどが数カ月にわたって続くことがある。特に若い女性に多い傾向があるという。
「ロングCOVIDにより、就業が困難になるケースもあります。度重なる感染によって後遺症の頻度が高くなるというデータもあるので、若い人もコロナにはやはり、かからないにこしたことはないです」(岡医師)
ワクチン接種は、これらの後遺症の発生リスクを減らす効果もあることがわかっている。岡医師は「後遺症のリスクを減少させるためにも、重症化リスクの低い若い人であっても、ワクチン接種は意味があります。ただし、コストと副反応のバランスから、接種するかどうかはその人の考え方次第」と述べる。
ワクチンの感染を予防する効果は、半分まで弱まる(半減期)のが接種後100日と短い。それでも、重症化の予防効果はその後もある程度続く。
コロナ禍初期に流行したデルタ株は重い肺炎などの重症化率が30%、致死率でも2~3%という凶暴さがあったが、ワクチンや治療薬の開発により、重症化率や死亡率が大きく下がった1つの要因となった実績もある。
「KP.3を含めたオミクロン変異株も、病原性はパンデミック初期の株とあまり変わらないという研究結果もあります。重症化リスクが大幅に下がったのは、ワクチン接種や治療薬の進歩による影響もあります」(岡医師)
今後も、特に高齢者や持病がある人は追加摂取が重要だ。そのときの流行株に合わせ、定期的な追加接種を受けることが推奨される。今年10月からは、65歳以上の高齢者と、60~64歳の重症化リスクが高い人を対象に、接種費用の一部自己負担によるワクチン定期接種が始まる予定だ。
猛暑続く夏の流行の対策は?
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