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クリエイティブの世界は「AIを使うアマ」が多数に 「人間の手によるもの」は少数のプロのみへ

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 17時0分

Kindleの「写真」カテゴリーの売れ筋ランキング上位に、AIによる写真集が入っていたこともある。

また、2023年に開催された「Sony World Photography Awards 2023」のクリエイティブ部門で最優秀賞を受賞した写真が、受賞後、出品者エルダグセン氏の開示により生成AIが作った画像であると判明した。

結局、同氏は賞を辞退したが、その際、「受賞作が生成AIによるものとわかった人、あるいは、せめて疑った人がどれくらい、いるだろうか?」

「私は生意気な猿として、主催側にAI画像を受け入れる準備があるかどうかを調べるために応募した。結果、準備はなかった」などと語ったという。意図的に問題提起をしたわけだ。

たしかに、写真に関しては、今後、プロとアマの境目は限りなく曖昧になっていくだろう。学校で教えているような撮影技術がなくても、AIを使えば、素人の下手な写真をプロ級のものに処理することができる。

近年は、iPhoneなどスマホのカメラの性能もデジタルカメラ並みになっている。高価な一眼レフカメラがなくても、スマホで撮った写真をAIに加工させれば、プロの写真と比べても遜色ない出来になるだろう。

私は写真を撮影される機会が非常に多い。しかし正直、スタジオに出向き、大勢のスタッフに囲まれ、長時間にわたり写真を撮られるのは苦痛だ。

そんなときもAIの出番だ。昔、撮った写真を、年月の経過などに合わせてAIに修正してもらえばいい。そうすればスタジオ代も撮影代もかからない。

普段着で過ごすことが多い私だが、AIによる加工写真なら、ネクタイ着用のスーツ姿だろうとタキシードみたいな正装だろうと、はたまた羽織袴だろうと自在だ。実際に着用するのは御免被りたいが、写真加工ならご自由にどうぞ、という感じである。

写真のみならず、イラストや美術作品などもAIが担う時代がやってきそうだ。いまは未熟だが、ものすごい勢いで進化しているAI技術で、プロ顔負けの作品の制作が可能な時代が必ず来る。

私も、画像生成AIのMidjourneyを使って架空のアパレルブランドを作ってみた。そこで扱っているのは、私が発案したパン屋「小麦の奴隷」をモチーフにしたキャップやパーカーなどだ。デザインも着用モデルも「Midjourney作」だが、いいものができたと満足している。

もしかしたら、AIは、人間のプロデューサーや監督と同等か、それ以上の作品を作るようになるかもしれない。人間のモデルもクリエイターも要らなくなる時代が来るという私の予感はかなり高い確率で当たるはずだ。

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