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子育て卒業世代が地方の保育園に"留学"する理由 就労と移住体験がセット 得られた「気づき」

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 7時0分

昨年からは、都市部の家族が地方に短期移住し、現地の保育園に子どもを預けながらワーケーションができる「保育園留学」も受け入れながら、まちの関係人口を増やすためにさまざまな仕掛け作りをしてきた。

一方、別の移住体験でやってくるシニア層にヒアリングを重ねると、豊かな自然のなかでのんびり過ごすだけでなく、地域貢献活動や短期の仕事があれば挑戦したいと考える人が多いことがわかった。

「こども園の人材不足と、移住体験にやってくるシニア層のニーズを掛け合わせると、保育園で就労体験しながら移住も体験できる本取り組みは、上士幌にぴったりだと考えた」(上士幌町役場デジタル推進課梶達課長)。

「おとなの保育園留学」でやってきた人に期間中、さらに滞在を楽しんでもらおうと、上士幌町では「まちのサークル活動など、インターネットで調べても出てこないような情報を案内する『現地コーディネーター』を雇用する予定」(梶課長)だという。

サークル活動などで現地の友人ができれば、友人に会いに上士幌を再訪したくなるだろう。もしかしたら、移住のハードルも下がるかもしれない。「酪農家とのつながりや体験機会の創出など、新しいビジネスにもつなげていきたい。保育園留学の取り組みには、まちへの波及効果がある」(梶課長)。

おとなの保育園留学で第2のキャリアを

本取り組みは「留学」と名付けられているように、就労体験や地域貢献で対価を得ることが目的ではない。あくまで留学生が学びや気づきを得る機会だという点は、誤解のないよう強調しておきたい。

それでも、子育てを終え、仕事をリタイアしたプレシニアにとって、見知らぬ土地で、新たな知見を得ながら自分を見つめ、次のキャリアをじっくり考える機会にはなるだろう。保育園での就労と移住体験、という取り組みが定着するよう、さらなる地方自治体のサポートも期待したい。

笠井 ゆかり:フリーライター

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