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8月開始「ながら見の動画配信」日本に定着するか 次々流れてくる番組を受動的に見るスタイル

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

テレビ放送が広告モデルで成功したのも、必ずしも能動的には見ないからだと思う。その意味でFASTは配信時代に進化した、テレビの次のテレビなのだと言える。放送のように総花的に番組が流れてくるのに飽きてしまったが、オンデマンドで能動的に見たいわけでもない。そんな気分にぴったりの映像配信サービスなのだ。

アメリカのFASTの解説はこれくらいにして、「日本初のFAST」の話に入ろう。

私が抱いていた疑問は以下2点だ。メディア業界を取材してきた私だが、BBMという社名は聞いたことがなかった。そんな無名の会社がFASTを始めて大丈夫かというのが1点。もうひとつは、動画配信サービスが増えすぎて淘汰も始まるかという2024年に、FASTという新サービスをどう普及させるのかということだ。BBM代表取締役CEOの福崎伸也氏に話を聞き、いずれの疑問も氷解した。

まずBBMは2014年に設立されたベンチャー企業だが、元々アクセンチュアの一つのチームがスピンアウトして設立した会社だ。福崎社長によると「ビデオオンデマンドの立ち上げ支援を裏でやっているコンサルチーム」だった。つまり、動画配信のプロフェッショナル集団。知ってる人はよく知っており、さまざまなサービスをこれまで支えてきた。業界で無名と書いたが、私が無知なだけだった。

載せたいサービスを提供できる「TV Stick」

BBM設立から数年経った2017年は、動画配信サービスが出揃って、いよいよ大きく伸びていこうとした矢先。元々Googleから信頼を得ていたBBMは、TV Stickを託された。AmazonのFireTV同様、さまざまな動画サービスを載せることができる、Googleが開発したデバイスだ。

BBMはこれを自ら販売するのではなく、パートナーと呼ぶ事業者と契約し、その事業者に顧客へTV Stickを提供してもらう手法をとった。パートナーには大阪ガスやレオパレスがある。それぞれ顧客と濃い関係を築いており、例えばレオパレスは契約者にTV Stick付きのテレビが据え付けられた部屋を提供する。テレビと動画配信は「サービス」の位置付けだ。

大阪ガスは検針などで個別のユーザー宅を訪問する。その際に、「Netflixで韓流ドラマが楽しめますよ」とTV Stickを勧める。東京圏に比べて遅れていたNetflixの普及が大阪ガスとTV Stickにより一気に進み、Netflix側も喜んだという。

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