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Z世代を対象に「不安ビジネス」が蔓延する理由 財務に優れた日本企業は経営でも舵を切れるか

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

現代の若者、Z世代は「消費」に代表される、というのだ。やや聞こえの悪い表現だが、若い世代は「教育する対象」から「モノを買ってもらう対象」に変化しているのだと言える(写真:mits/PIXTA)

若者と接する場面では、「なぜそんな行動をとるのか」「なぜそんな受け取り方をするのか」など理解しがたいことが多々起きる。

企業組織を研究する東京大学講師の舟津昌平氏は、新刊『Z世代化する社会』の中で、それは単に若者が悪いとかおかしいという問題ではなく、もっと違う原因――たとえば入社までを過ごす学校や大学の在り方、就活や会社をはじめビジネスの在り方、そして社会の在り方が影響した結果であると主張する。

本記事では、舟津氏による三菱総合研究所のスキルアップ倶楽部での講演をもとに、Z世代を対象としたビジネスの実像を解説する。

消費の主役「Z世代」

「Z世代」なる言葉がある。現代の若者を総称するこの言葉は、どういった経緯で生まれた言葉なのだろうか。

【一目でわかる】Z世代を対象に「不安ビジネス」が蔓延する理由

経営コンサルティングファーム・識学が提供する識学総研では、「一般的には1990年代後半から2012年頃に生まれた世代」「アメリカで1960年から70年に生まれた人を指す言葉として使われていた『ジェネレーションX』が由来で、その次の『ジェネレーションY』のさらに次の世代」だと紹介されている。

さらに気になる文言が続く。「アメリカでは消費の主役になっているため、多くの企業がマーケティングの対象としてZ世代に注目しています」。「消費の主役」なのだ。

ところで筆者はいわゆる「ゆとり世代」にあたる。「ゆとり教育」が語源。筆者世代を代表する概念が「教育」発なのであれば、現代の若者、Z世代は「消費」に代表される、というのだ。やや聞こえの悪い表現だが、若い世代は「教育する対象」から「モノを買ってもらう対象」に変化しているのだと言える。

そのことを、大学教員でもある筆者は身をもって実感している。それは単に学費の値上げ(が検討されている)だとかいう話ではなく、就職活動に取り組む学生たちを見ていての実感である。

今の就活ビジネスはすさまじく、こんな場面を目の当たりにしたことがある。1年生向け授業で「就活ガイダンス」が行われた。就活仲介サービスの企業から人が派遣されてきて、就活のアレコレについてレクチャーするのである。現代の大学では珍しくない光景だ。

とある企業の方が登壇し、授業も終わりかけた頃。その方は待ち構えたように、終わりの言葉を言ってのけた。

「皆さん就活は、今のうちから、1年生から始めましょうね。隣の友達が内定を持っているのに、自分が持っていなかったら嫌ですよね」

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