1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「空間で読む新聞」日経が示した斬新なアイデア Vision Pro用『日経空間版』作者を直撃

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 8時0分

『ストーリーフロー』は、スマホのような画面表示を、読者を取り囲むように表示。空間上でタップした記事の関連記事群を人工知能(AI)を利用して、空間上に時系列に並べて表示する機能。関連記事や過去記事などを、自在に引き出して扱える感覚は、デジタルならではの機能だといえる。

これらの記事のメタデータは過去の日経電子版で蓄積されたものを使っているが、それだけでは過去記事を『いい感じ』に出せなかったそうで、日経空間版のために新しい条件を付加しているとのこと。

これぞ空間コンピューティング体験

もう1つ圧巻なのが、『「地震列島」日本』という立体コンテンツだ。

目の前に日本列島が浮かび上がり、過去100年に起きた地震が、その位置と震源に加えてサイズを反映し、時系列に表示される。いかに多くの地震がこの日本列島に沿って起こってきたのか、Vision Proの機能を十全に活かしたコンテンツといえる。2011年3月11日の東日本大震災が大きく広がる瞬間には、まさに息を飲む思いがする。震源の位置、意外な浅さ、その凄まじい規模感が一目瞭然だ。

今後、こうしたコンテンツを追加していく計画だという。将来の計画については教えてはもらえなかったが、この技術を使えば、さまざまな情報を見やすく、理解しやすく表示できそうだ。筆者の想像だが、株価の推移や、他銘柄との比較なども、空間コンピューティングで扱うことができれば、新たなトレーダーのスタイルが誕生するのではないだろうか?

visionOS 2ローンチでアップデート

尾崎氏は、中学2年生からプログラミングを始め、個人としてさまざまなアプリやアート作品を産み出している。

アップル製品に強く衝撃を受けたのが中学2年生の時。お正月のラッキーバック(福袋、現在は販売していない)で、iPod touch(iPhoneと同じOSを搭載したiPod=現在は製造中止)を手に入れ、そのユーザー体験に惹かれたという。以来、アップルのすべてのソフトウェア開発の指標となっているHuman Interface Guidelinesなどのドキュメントを深く読み込んでいる。

今回のVision Proも個人で所有してるものは、アメリカでの発売日にニューヨークまで単身赴き、購入した(現在は日経にも開発用に複数台のVision Proがある)。わざわざニューヨークまで行ったのは、同日発売なら東海岸のほうが早く発売されるからという筋金入りのアップルマニアだ。ちなみに、このニューヨークのFifth AvenueのApple Storeに訪れたアップルのティム・クックCEOを尾崎氏が撮った写真が、日経電子版の記事に使われたそうだ。

今秋リリース予定のvisionOS 2に向け、新機能を活かしたアップデートも準備しているという。Vision Proを体験する機会があれば、『日経空間版』を覗いてみてほしい。メディアの未来を実感できるかもしれない。

村上 タクタ:編集者・ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください