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Netflixゲイの恋リア「ボーイフレンド」の長短 「おっさんずラブ」的なポテンシャルが見えた 

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 10時30分

ですが、爆発的な人気を集めているとは言いがたい。主役といえるダイとシュンが視聴者を惹きつけている一方で、和食料理人のカズト(27歳)に思いを寄せるいくつかの恋愛や、モデルのリョウタ(28歳)やヘアメイクのゲンセイ(34歳)の片想いといった、言うなればサイドストーリーが薄いのです。この点は、番組最大の弱さとなっています。

勝手に人気が広がっていくリアリティ番組は、たとえうまくいかない恋愛でも勢いだけはあったりします。また、恋愛以外の個性の部分で魅力を引き出すことに成功しています。設定という意味では同じく新しかった「あいの里」(Netflix)がまさにそう。中年の恋を扱うという話題性だけでなく、なりふり構わない恋愛に圧倒される場面が多く、リアリティ番組の新境地を拓いていました。シーズン2として年内中にまた戻ってくる予定です。

そう考えると、「ボーイフレンド」は、やっぱり浮世離れ感や上品すぎるところが課題にあったように思います。マイノリティの恋愛リアリティ番組は見せ方が慎重にならざるをえなかったのかもしれません。そんな中で、リビングルームやプールサイドで彼らが繰り広げる会話で、同性婚やカミングアウトなど踏み込んだ話を取りこぼしていないことは評価したいです。

過去にテレビ大阪で韓国の「ボクらの恋愛シェアハウス~Boys Love ∞(アンリミテッド)~」が地上波放送されたことがあったものの、ありとあらゆる種類のバラエティ番組がある日本の地上波でも男同士の恋愛リアリティ番組はまだ作られていません。今回、実現したこと自体に価値があると改めて思います。

ニッチなゲイカルチャーを扱ったアメリカのリアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」が賞レースで常連になり、各国版へと広がり、番組出身者がパリ五輪の開会式でパフォーマンスした例もありますから、始めない限りは火が付くかどうかは誰もわかりません。もし再び作られることがあれば、笑いにも変えられるような強さがもっと欲しい気がします。

長谷川 朋子:コラムニスト

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