【実験】「肉じゃが」今と昔のレシピで作った結果 ひたすら強火で料理する時短レシピはどちら?
東洋経済オンライン / 2024年8月3日 10時0分
当時の『きょうの料理』で、材料は5人前である。しかし今は番組も、一般的なレシピ本でも2人前。そこで分量は単純に5分の2に減らした。出来上がった肉じゃがはご飯が進む、あるいは酒のアテになる濃いめの味になった。もう1つ作った現代のレシピと比べてジャガイモが半量と少なく、そもそも副菜や酒の肴の位置づけだったのもしれない。
調理工程は次の通り。
① ジャガイモ、ニンジンを1口大に、タマネギは8つ割りに切る。サヤエンドウは筋を取り、サッとゆでる。
② 鍋に油を熱し、牛肉を炒めて色が変わってきたら、ジャガイモ、ニンジン、タマネギを加え、十分油が回るまで炒める。
③ 砂糖、みりん、醤油、味の素を加え、ふたをする。ときどき食材を返しつつ、ジャガイモが柔らかくなるまで強火で煮る。
④ 器に盛り、サヤエンドウを散らして温かいうちにいただく。
強火で肉じゃがを作るレシピは、時短料理家として名を馳せた小林カツ代が1994年、『料理の鉄人』(フジテレビ系)で披露し、彼女の代名詞的レシピになった。その30年も前に最初のレシピで、すでに強火設定になっていたとは驚きだ。ただ、強火にするのは「新じゃがは強火で一気に煮たほうがおいしい」からで目的が異なる。
食材の水分量が少なかったこともあり、焦げ付かないようかなり頻繁に食材を混ぜた。煮物というより炒め物。とはいえ、炒め始めて完成まで20分弱とかなり短かった。
完成した料理は、味の素で旨味が強いこともあり、濃いめだがおいしかった。私は肉じゃが他の煮物調理が苦手で、肉じゃがも、野菜が固いままになりがちだったので、ふだんは水を加えて落としぶたをし、さらに鍋のふたをかぶせる。
ところが今回は、水分も加えず落としぶたもしなかったのに失敗しなかった。成功の要因はおそらく、一口大に切った野菜の小ささ。ひんぱんにかき混ぜたこともよかったかもしれない。野菜はすべて柔らかく仕上がった。
最後に肉を「かぶせる」現代のレシピ
現代のレシピは、フランス・スイスのホテルやレストランで修業経験があり、手早く合理的なレシピで人気の上田淳子氏のもの。2018年に刊行された定番料理の解説つき『から揚げは、「余熱で火を通す」が正解!』の「ホックホクの肉じゃが」。果たして、タイトル通りの仕上がりになるか?
食材はジャガイモ、タマネギ、ニンジン、牛こま切れ肉。調味料はサラダ油、砂糖、みりん、酒、醤油。
調理法は、以下の通り。
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