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糖尿病で亡くなるまでのリアルを残した体験記 「右目だけで見るとまっかにそまった室内…」

東洋経済オンライン / 2024年8月4日 16時0分

以降のレポートも調子は変わらない。糖尿病食を心がけながらも、タバコとお酒を止められない自堕落さを話のオチに使いながら、自らを突き放したコミカルなトーンで病の進行を書き記している。

読者に向けた真摯なメッセージ

ただ、外部からの反応を拒絶して、内にこもっていたわけではない。折に触れて読者に向けた真面目なメッセージを織り交ぜていることから、ある種の覚悟を持って書いていたのは確かだ。

「人工透析」のページには、こんな所見を添えている。

「糖尿病はそれ自体ではたいして恐しくはない病気ですが、合併症をまねくと本当に恐ろしい病気に変身してしまいます。しかも、同じような病状の人でも、合併症になるかならないかは予想できません。


 私を『おろかなやつ』と笑って結構です。でも、あなた自身は絶対に同じ道をたどらないと約束してください。」

読み手から起こるであろう非難の声をものともしない強さは、死後も新たな読者を引き寄せていく。実際、「雑談用掲示板」には、2012年以降も警鐘として読み終えたと感謝する声や、すでに亡くなった筆者の自堕落を怒る声などが1カ月に0~2回程度のペースで書き込まれていた。

その掲示板も2013年の秋頃にレンタルサービスが消滅し、現在はメインコンテンツしか残っていない。もうどれだけの読者が訪れているかも、どんな感想を抱いているかも分からない。しかし、インターネット上で「管理人が死んだ後に残ったサイト」の話題が上るとき、いまだにこのサイトのURLが貼り付けられるのを目にする。

#サイト情報
落下星の部屋
http://rakkasei.syogyoumujou.com/
■最終更新:2002年11月3日
■亡くなった推定時期:2002年11月~12月頃?
■死因:病気(糖尿病関連)

古田 雄介:フリーランスライター

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