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「ホテルニューオータニ」新しい顔はアイデアマン 開業60周年を前に22年ぶりとなる総支配人交代

東洋経済オンライン / 2024年8月4日 8時0分

2023年度は売上高が679億円(前年度は528億円)、営業利益は82億円(同2億円)となった。営業利益率は12%とコロナ禍前の9%を超えている。競合と比較しても、帝国ホテル、ホテルオークラを上回る水準だ。

収益性向上を牽引するのが宿泊部門だ。コロナ禍以降、ニューオータニは客室価格を引き上げている。コロナ禍前と比較すると、単価は3万5000円と約3割上昇した。その分、稼働率は70%から65%と下がったが、それを補えるほど収益性が向上した。

開業当時の建物を継承しつつリニューアル

髙山氏はニューオータニを今後どのように舵取りしていくのか。

本業であるホテルでは、客室や宴会場など既存施設の改装を進めるという。同ホテルはザ・メインとガーデンタワーの2つの建物を中心に客室や宴会場を有している。

今年はメインの宴会場「パラッツォ オータニ」をリニューアルする。同宴会場の特徴は、日本庭園に面していることにある。今年の春から日本庭園の夜間ライトアップを始めているが、さらに「最大限活用していく」(髙山氏)。

ガーデンタワーでは、836ある全客室の改装を行っている。直置きだったテレビを壁掛け55インチへと入れ替えるほか、客室の鍵をシリンダーキーからカードキーへと変更する。

一方で、業界を見渡せば国内系ホテルは建て替えラッシュを迎えている。御三家でもホテルオークラが旗艦ホテルの「オークラ東京」を2019年に建て替え、再開業をした。「帝国ホテル 東京」も2024年度から2036年度にかけての建て替えプロジェクトが立ち上がっている。

ニューオータニは開業当時の建物が今も健在だ。建て替えの可能性について髙山氏は、「まったく否定はしておらず、これまでも検討してきた。だがホテルニューオータニの景観を支持してもらっていることもあるので、当面はこの建物をどれだけ継承できるか、ということに挑戦をしていく」と語る。

IPを収益性向上のドライブに

また注力する事業として挙げたのが、知的財産(IP)の活用だ。これまでも食品大手とコラボ商品を出している。ケロッグのグラノーラや明治の冷凍グラタンでは総料理長などが監修を務め、パッケージでは「ホテルニューオータニ監修」などとアピールしている。

「料飲事業やスイーツに力を入れてきたので、IPを収益性向上のドライブにしていきたい」と髙山氏は意気込む。接客ノウハウを活用した教育・研修事業やコンサル事業への展開も示唆した。

今年2月の東洋経済のインタビューで前任の清水氏は、「ニューオータニは、オーナー(創業家である大谷家)がチャレンジすることに対して非常に前向き。そこに、ニューオータニの『ニュー』のアイデンティティがある」と述べていた。

髙山氏はアイデアマンの総支配人として、どのような「ニュー」を生み出すことができるのか。

星出 遼平:東洋経済 記者

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