「長生きしたくない」高齢者が日本に多い"なぜ" 「ピンピンコロリ」で逝きたいが、女性は難しい?
東洋経済オンライン / 2024年8月5日 20時0分
寝たきりの状態は、要介護5とされています。
これは一人で日常生活を営むことがほぼ不可能で、寝たまま起き上がることができず、意思疎通さえ困難な状態を指しています。
こうなってしまうと、多くの人が特別養護老人ホームや介護医療院などに入所となります。
ここで重要なのは、要介護5の人の平均余命は、男性は1.23年、女性は1.55年ということです。
先ほど不健康な期間は10年近くあると述べましたが、完全に寝たきりになってしまうと1年前後で亡くなります。つまり、寝たきりの期間は、平均寿命から見れば、決して長くないのです。
「ピンピンコロリ」はいるのか
ちょっと話は変わりますが、寝たきりとは真逆の亡くなり方で、「ピンピンコロリ」というものがあります。
これは文字通り、亡くなる直前までピンピンしていて、急にコロリと亡くなってしまうというものです。苦しまずに済むことから、幸せな生涯の終え方とされています。
男性では1割くらいが、死ぬ間際まで健康に暮らしているそうです。つまり、ピンピンコロリで死ねるのです。
その一方で、女性にはピンピンコロリがそれほどいません。骨折などで寝たきりになるケースが女性に多いことが、ピンピンコロリとはいかない理由の一つとされています。
メディアでは、高齢者に対して不安をあおるためか、悪く伝えてしまう傾向が強いように思います。どうしても、寝たきりが多いというほうへバイアスをかけた状態で報道しやすいのです。
結果として、高齢者の社会だから寝たきりが増えているというように、安易な見方がされがちです。
実際には、医者にかかっていない高齢者は多く、4割以上は医者知らずだと言われています。しかし、こういった事実は、あまり報道されません。病気の人の統計はありますが、健康な人、医療とは関係のない生活をしている人のデータはなかなか集めにくいという事情も関係していそうです。
寝たきりの寿命を延ばす医療
話を戻して、寝たきりについてです。
北欧をはじめとして欧米では寝たきりがいないと伝えられることがあります。
これは、欧米の医療が進んでいるからではありません。寝たきりがいないのではなく、寝たきりという状態を作らないのです。
日本のように、末期医療になって口から食べられなくなっても、鼻から管を入れたり、胃ろうを作って栄養を強制的に入れたりすることがないのです。
欧米ではこういった行為は、虐待と見なされます。
口から食べられなくなれば、点滴もしませんし、肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。
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