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「長生きしたくない」高齢者が日本に多い"なぜ" 「ピンピンコロリ」で逝きたいが、女性は難しい?

東洋経済オンライン / 2024年8月5日 20時0分

一応、日本でも、高齢者の末期の状態に対して、経管栄養や胃ろうをやらなくなってきましたが、まだ行われています。こうした栄養を強制的に投与する延命治療が、日本の寝たきりの期間を延ばしているのは間違いありません。

高齢者が寝たきりになってから死ぬまでに1年前後しかないとは書きましたが、それでも短くはないでしょう。

日本において寝たきりの期間が長くなってしまうのは、欧米のように、口から食べられなければそこで医療は終わりという態度を、医療を提供する側がはっきりと取れないことに原因があります。

とはいえ最近では、入所する際に、蘇生はしないとか、胃ろうはしないとか、いろいろ家族と話し合うようになってきました。本人の意思がはっきりしているなら、本人の意思を確認しておくべきでしょう。

ヨロヨロヘロヘロの時期を減らす

老いに関して多数の著書のある作家の樋口恵子さんは、寝たきりになる前の、ヨタヨタヘロへロになってしまう時期を「ヨタヘロ期」と言っています。

健康寿命からはずれて、不健康な状態が普通になり、病気でどこかが痛い、思うようにからだが動かない、でもまだまだゆっくりやれば動ける、そんな毎日を送るようになる時期です。

どんなに健康を意識して生きてきた方であっても、まったく病気がなくて80歳に到達するのはむしろまれでしょう。ヨタヘロ期になれば、病気とともに生きているという状態のほうが普通なのです。

だからこそ、体には病気があっても、それをものともせず、前向きに人生を楽しめるという「気持ち」が大切です。それを持っていることこそが、寝たきりの期間を減らすことになります。

それには、運動機能が低下してきても、楽しめる趣味を持っていることが重要でしょう。

面白いことが何もないということが、最も危険なのです。

健康年齢を長くするためには、血圧に気をつけましょう、血糖管理をしましょう、運動をしましょうといったように、医学的な視点で対策を考えてしまいがちですが、それにはどうしても限界があります。

それより気にかけるべきは、気持ちです。どうすれば、体が弱ってきても心を前向きに保てるか、考えておくのです。

人生を楽しむ方法をどれだけ持っているか、それが、寝たきり状態になることを過剰におびえることなく、幸せに長生きできるコツです。

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アルファポリスビジネス編集部

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