「猫は犬ほど人と絆を結べない」わけではなかった 「猫に対する見方が変わりつつある」と研究者
東洋経済オンライン / 2024年8月7日 16時0分
ヴィターレ博士は普段、ユニティ大学で助教授として動物の行動や健康についての講義を担当するかたわら、オレゴン州立大学で猫の研究もしています。
自宅で仕事をすることもよくあり、そうすると4匹の猫と一緒に過ごすことができます。ふわふわのキジトラ、13歳のメイシーは目が見えません。クリスティンが初めて自分で飼った猫なので特別な存在です。オハイオ州の猫保護施設で働いていた時に出会い、一目で恋に落ちました。
2番目の猫、黒猫のボーは色々な芸を披露してくれるそうです。夫婦でオレゴンに移り住んだ直後に突然、家の前に現れました。
「首の後ろにはひどく嚙まれた痕があり、とてもじゃないけれどドアを閉めるなんてできなかった」
ヴィターレ博士はその猫を獣医に連れていきました。もう後戻りはできません。一緒に暮らし始めました。
3番目と4番目の猫カールとケヴィンは数年前、夏に夫婦でサイクリングをしていた時に溝の中で発見しました。小さなプラスチックの箱に入って子猫が捨てられていたのです。
「そのまま太陽の下に放置するなんて、もちろんできませんでした」
4匹とも家の中で飼っていますが、庭の一部を柵で囲んで出られるようにしています。部屋の中にある猫用の木に登って窓から飛び出し、トンネルをくぐると手作りの猫テントにたどりつきます。そこで草を食べたり、鳥を観察したり。
「どの子も全然性格がちがいます。研究はどれもうちの子たちでもテストしましたが、個体によって大きな差があります。しかし結果としては人間との交流とエサがトップで、その次におもちゃやエサ以外の香りでした」
年齢によるちがいは見られませんでした。品種も色々な猫を対象にしました。家庭で育った猫、猫保護施設あるいはケージで育った猫では差があるかどうかも調べましたが、社交能力は基本的に同じでした。
長年犬や猫の研究に使われてきたのが、幼い子供の検診でも使われる指差しテストです。異なる色のついた缶を指差した時に、子供がそれを目で追って歩み寄るなら、相手と交流する能力があるということになります。
1998年に犬が簡単な指差しテストに合格することが判明して以来、世界のペット研究所が犬の行動を詳しく調べ始めました。
犬は人間の顔を見て感情を理解する、会話を部分的に理解する、公正で倫理的に行動するーーそんな研究結果の積み重ねで、「犬は人間の忠実な友」というイメージができあがりました。
一方の猫はすっかりおいてきぼりでした。たとえば2004年には犬の認知能力に関する大規模な研究が12件も行われているのに、猫に関しては1件もなかったのです。この研究投資の割合は猫の人気に見合っていません。
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