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SNSでの存在感を左右する「写真の構図」の法則 既に撮った写真もトリミングで激変させられる

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 17時0分

❶放射線構図(遠近法)
旅の始まりや旅の終わりに、ターミナル駅の構内に入ってくる列車のシーンというものはとてもドラマチックで、「撮り鉄」でなくても、つい撮りたくなる一枚です。
これらの特徴は、比較的ピントが深くて、手前から遠くまでが見渡せるところにあります。
放射線構図は、列車に限らず、近景から遠景までを広い心で見渡し、その中にあって現在地を再確認する、平常心を取り戻すようなシーンにとても向いています。

❷トンネル構図
文字通り、トンネルを抜けるときのように進行方向に向かって光があり、周囲が囲まれている構図です。
同じく鉄道写真のジャンルでよく見かける構図ですが、先ほどの放射線構図と異なる点は、その視点(フォーカス)が「先の方向」に定まっていて、現状を見渡しているというよりも「未来を見つめている」ような印象が強くなることです。


松林を抜けて、青い海が見え始める。その先に綺麗な女性がいる……といった観光ポスターなどもよく見かけるものですが、どちらも、少し暗かった現在地を抜けて、光の世界に向かっていくという、前向きさや清々しさを感じる絵になります。

「動き」や「躍動感」が表現される

❸S字(アルファベット)構図
S字構図は、山間を抜ける列車が勢いよく近づいてくるといったシーンでよく見られるものです。街中で人が走ってくる、サーファーが勢いよく波に乗っているような写真にもよく見られるもので、「動き」や「躍動感」が表現されます。動的なモチーフがさらに生き生き切り取られ、臨場感を描ける構図です。

ここからは、日頃、実業で忙しい皆さんがせっかくアップする一投稿に「威力」を加えるため、「基本の型」に「流れ」をプラスする構図を見ていきましょう。

前回までの記事で説明した「印象的な写真の特徴」には、①の構図以外に

②「光」の捉え方
③「色相」そのもの、「配色」それ自体
④「階調(トーン)」が明るいあるいは暗い、または、独自のバランス
⑤「テーマ(被写体)」が審美的あるいは独創的。または、社会的価値が高い
⑥「制作者のみが実装できる世界観」
⑦これらの要素が二つ以上組み合わさっている

という全部で七つのポイントを挙げています。この視線が止まる基本構図(日の丸構図)に流れる構図(アルファベット構図や放射線構図など)を組み合わせることで、⑤テーマ(被写体)をより魅力的に映し出し、また、⑥「制作者のみが実装できる世界観」すなわち、その人独特の癖のようなものですが、これらが表現しやすくなります。

「構図の不思議」は、日常の中に溢れている

花畑と女性のサンプル写真は、前のページでも紹介していますが、日の丸構図や3分割構図に「流れ」が加わることで、ふんわりとした階調と独特の色彩が際立ちます。

この「組み合わせ構図」は、鉄道写真家やインスタグラマーのように遠くに出かけなくとも、身近なところにたくさん存在しています。ちょっとだけ周辺を見つめ直す、あるいは、撮った写真をトリミングすることで、ぐっと視線を掴む写真に生まれ変わることでしょう。

街中を散歩中に、偶然「王道の日の丸構図の中のアルファベット」を見つけてしまうこともあると思います。「構図の不思議」を見つけるシーンは、日常の中に溢れています。

その瞬間を、ぜひ、逃さないでください。

ウジ トモコ:戦略デザインコンサルタント、アートディレクター

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