「虎に翼」のモデル"三淵嘉子"人生支えた父の一言 知人は進路を話すとドン引き、家族の反応は?
東洋経済オンライン / 2024年8月7日 11時0分
NHKの連続テレビ小説『虎に翼』が放送以来、好調をキープしている。視聴率は右肩上がりで、毎朝の放送のたびに、SNSでも大きな話題となっているようだ。主人公・佐田寅子(ともこ)のモデルとなっているのが、女性初の弁護士で、女性初の裁判所長となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)である。実際にはどんな人物だったのか。解説を行っていきたい。
三淵嘉子も「親からの言葉」が人生の転機に
「もしかしたら、偉人が残した言葉と同じくらい、いや、それ以上に、偉人が幼少期に<かけられた言葉>のほうが重要なのではないか?」
数多くの名言集を執筆するうちに、そんな思いを抱くようになった。
そこで、偉人が親からどんな言葉をかけられたのかを調べて、1冊にまとめたのが『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』という本である。
エジソン、アインシュタイン、本田宗一郎、ゲーテ、ベンジャミン・フランクリン、黒澤明、森毅、渋沢栄一、ユング、チャーチル、ダーウィン……など、歴史に名を刻んだ偉人たちのなかには、親から「人生の転機となる言葉」をかけられて育った者が実に多くいることが明らかになった。そんな偉人のエピソードを踏まえながら、具体的な親の声かけについては、教育評論家の親野智可等氏に解説してもらった。
発刊後には「中田敦彦のYouTube大学」でも取り上げられるなど話題を呼んだことにも力をもらい、その後も「偉人の親の言葉」のリサーチをライフワークとしている。
NHKの連続テレビ小説『虎に翼』で注目されている法律家の三淵嘉子もまた、幼少期に父親からかけられた言葉が、大きな支えとなったようだ。
三淵嘉子は1914(大正3)年11月13日、台湾銀行に勤務する父の武藤貞雄と、母のノブのもとに、父の赴任先であるシンガポールで長女として生まれた。
父がシンガポールからニューヨークに転勤になると、嘉子は母のノブとともに1916(大正5)年に帰国。ノブの実家に身を寄せて、香川県丸亀で幼少期を過ごす。帰国の年には、嘉子の弟で、長男となる一郎が誕生している。
家族が東京でそろったのは、それから4年後の1920(大正9)年のこと。父が東京勤務を命じられたタイミングで、4人家族として渋谷区で居を構えている。
嘉子は渋谷区の幼稚園に入園し、その翌年には、青山師範学校附属小学校へと進学。下には弟が次々と生まれ、4人の弟たち(長男:一郎、次男:輝彦、三男:晟造、四男:泰夫)と一緒に、両親のもとで学生時代を過ごすこととなった。
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