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子供から「人を殺すかも」と言われたらどうする? 気持ちを受け止めて心を開くための受け答え

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 15時0分

(写真:kapinon/PIXTA)

子どもが思春期にさしかかると、親と子のコミュニケーションでのすれ違いが顕著になることがあります。それどころか、うまくいくほうが不思議に思えるほど、子どもをめぐる不安の種は尽きないように思えることすらあります。そんな悩みを解決に導く助けになるのが、「親業」の考え方です。

本稿では、親と子がお互いを理解しあい、心地よい関係を築くための会話のヒントを、『「親業」のはじめかた―思春期の子と心が通じあう対話の技術』より一部抜粋・編集して紹介します。

親の前で子どもが本音を言えるように

はじめに、小学校6年生の武弘くん(11歳)とお母さんとのやりとりをご紹介しましょう。武弘くんは、学校から帰るなり、イライラした様子で話しはじめました。


  
武弘くん すごく腹立ってる。むかつく。くそッ……!
お母さん 何かイヤなことがあったみたいね。
武弘くん むかつく。(サンドバッグのところに行き、叩きはじめる)ストレスがすごくたまっているから、いま話しかけないで。
お母さん わかったよ。
武弘くん (叩きつづける。しばらくして)少し、すっきりした。
お母さん そう。サンドバッグを叩くと少しすっきりするんだね。
武弘くん うん……。でも、僕、人を殺してしまうかもしれない。
お母さん そうか、誰かを殺してしまうかもしれないって思うの?
武弘くん うん。いま、いろいろテレビでもやってるじゃない。
お母さん 人を殺してしまったっていうニュースが多いね。だから、自分も殺してしまうかもしれないと思うのね。
武弘くん 僕はすぐカッとなるし、ストレスがいっぱいたまっているからね。
お母さん 毎日むかつくことがたくさんあって、つらいね。
武弘くん うん。(少しの間、話をしたり、自分ひとりで考えこんだり。その後、ぽつりと)でも、僕、やっぱり人は殺さないと思うよ。
お母さん そうなんだね。

子どもから「人を殺すかもしれない」などと言われて驚かない親はいません。多くの親は「なんていうことを言うの!」、あるいは「そんなことは冗談でも言ってはいけない」などと、あわてて子どもをたしなめようとするでしょう。

しかし、「人を殺すかもしれない」と言った子どもの気持ちを想像してみてください。よほどひどい目に遭ったか、つらい思いでいるのではないでしょうか。ほんとうに信頼している相手の前でしか言えない言葉です。

お母さんを「不満をぶちまける相手」に選んだ意味

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