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柔道団体、ルーレットは不公正?東大生が語る盲点 アナログ抽選にしても公正になるとはかぎらない

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 10時0分

パリ五輪・柔道混合団体戦決勝でルーレットを見つめる選手たち(写真:東京スポーツ/アフロ)

8月3日に行われたパリ五輪の柔道混合団体決勝、日本対フランス戦にて代表戦の階級を決めたルーレットが、公正さの欠けている抽選方式なのではないかという指摘が巻き起こりました。

柔道混合団体は、女子が57キロ級、70キロ級、70キロ超級、男子は73キロ級、90キロ級、90キロ超級の各階級で対戦が行われ、先に4勝した国が勝利します。3勝3敗となった場合には、抽選で階級を決める代表戦で決着をつけます。抽選は電光掲示板に表示されたルーレットで行われました。

日本対フランスの決勝は3勝3敗となり、ルーレットの結果、代表戦は男子90キロ超級に決定。日本の斉藤立選手とフランスのテディ・リネール選手が対戦してリネール選手が一本勝ちし、日本は銀メダルとなりました。

リネール選手は、2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得し、今回のパリ五輪でも男子100キロ超級で金メダルを獲得したフランスの英雄です。ルーレットでリネール選手が属する階級が選ばれたこと、開催国がフランスであることから、ネット上では「ズルーレット」「リネールーレット」といった恨み節が飛び交いました。

デジタルではなく、アナログ抽選を求める声も

確かに、今回のルーレットに対して作為的な抽選なのではないかと疑いの目を持つ気持ちは理解できます。デジタル端末で抽選が行われているため、あらかじめ90キロ超級が選択される映像を用意して流していた可能性、止まる階級を意図的に決定している可能性が否定できないからです。

デジタルではなくアナログでの抽選を求める声もあります。では、本当にアナログ抽選のほうがよいのでしょうか。実はそうとも言い切れません。今回はその理由について、「同様に確からしい」という数学の用語を使って解説していきます。

突然ですが、皆さんに問題を出します。サイコロを1回振って、「3」の目が出る確率はいくつでしょうか?

おそらく多くの人が、特に計算をすることなく「6分の1」という答えを出したと思います。しかしこの答えは、知らず知らずのうちに「同様に確からしい」という確率の考え方を前提としているのです。

サイコロを1回振って、「3」の目が出る確率が「6分の1」であることを証明しなさいと言われたら、どのように説明するでしょうか。

例えばサイコロを1万回振って、「3」の目がちょうどその6分の1である1666回や1667回だけ出れば証明できるのか、と言われればそれでもまだ不十分でしょう。

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