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フワちゃん「やす子へ公開暴言」が示す根深い問題 単なる誤爆では済まず、イメージに甚大な影響か

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 14時35分

なおフワちゃんサイドは今回、報道各社の取材に対して、「投稿時点では、既に凍結されていたアカウントを除き、Xの別のアカウントはございません」とコメントしているという。

それはそれで、SNS上では「凍結された裏垢があるのか」といった新たな疑惑を呼んでいるのだが、みずからの発言だと認めた点については、評価に値すると言えるだろう。それでもなお、批判的な声が絶えないのは、これまで潜在的に「フワちゃんに対する違和感」を持っていた視聴者が多かったからではないか。

目をひく濃い蛍光色の服装に身を包み、自由奔放に駆け回る。大手事務所の所属歴はあるもののフリーランスで活動し、時に「失礼」と言われるまでの物おじせぬ発言で、芸能界にはびこっていた「予定調和」を打ち破る。本籍は芸人にありながらも、YouTuberに軸足を置いたスタイルに、新たなエンタメの形を見ていた人もいるだろう。

そして今や、世界を代表するGAFAの一角、Googleのスマートフォン「Google Pixel」のイメージキャラクターとして、写真の不要な部分を削除できる「消しゴムマジック」を紹介するCMなど、テレビで見かけない日はない。

メディアはどこか彼女に「多様性時代の象徴」を求めていたのではないか。コンプライアンスやハラスメントなどで、日を追うごとに世知辛くなる現状を前に、不破ならぬ打破してくれる存在として、期待を募らせる。もしかすると、本人もその雰囲気に気づいていて、「より『フワちゃんらしさ』を増さなければ」と、使命感を覚えていたのかもしれない。

「明るさ」の影にある「陰湿さ」

周囲との差異は、現状を変える上で、大きな武器になる。ただ一方で、それをよしとしない人には、強い違和感を与え、時には嫌悪感にも発展する。そして今回、「明るさ」の影には「陰湿さ」があると判明したことで、いままで漠然としていた「違和感の正体」を見た視聴者も少なくないのだろう。

ひとたび裏表のギャップが伝わると、印象が悪い方向に傾いてしまうのは、我々のような一般の人間関係でも同じだ。トイレで、飲み会で、給湯室で……。あらゆる場所で「誰かの欠席裁判」が行われる度に、その人の本性が透けて見える。

どこで誰が聞いているかわからない。それはSNSにおいても同じだ。誤爆しなくても、「この人の裏垢だ」と特定される可能性はある。どれだけ身バレ(身分や素性がばれる)を抑えたとしても、ささいな情報からプロファイリングされることは多々ある。

こうしたリスクは、遠い芸能界の話ではなく、明日あなたがクビになってもおかしくない。「フワちゃん燃えてて大変だねー」などと、ひとごとに思えるならまだしも、少しでも心当たりがあるのなら、早急に対応しておいたほうがいいだろう。

城戸 譲:ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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