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株価暴落「不動産絶好の買い場」やって来るのか? 「住宅購入で損する人」いつも知らない視点3つ

東洋経済オンライン / 2024年8月8日 10時0分

人口が半減する時代には、職住近接が主流となり、職住分離はナンセンスだ。

郊外のベッドタウンは消えていく。

そこに仕事がない限り、若者は仕事を求めて移動していく。

残されるのは、ベッドに横たわる老人だけかもしれない。

空き家の多い地域は、そこが高級住宅地といわれたところで買わないほうがよい。

過去のブランド効果で、まだ十分に値段が下がっていない場合がほとんどだからだ。

地方・郊外はどうなる?

3つ目の視点は「地方・郊外の衰退」だ。

これから亡くなっていく80代、90代の高齢者は、高度成長時代にフルに享受したため、金融資産をたくさん持っている(失敗したのは住宅投資ぐらいだ)。

したがって、地方や郊外の高齢世帯が抱える現金は、いずれ子どものいる都市部に向かう。

少なくとも、都市部の金融機関に預け替えられる。

定年後、実家が空き家になりそうなので、Uターンを検討する60代も多い。

しかし人口が減り、スカスカになった故郷で暮らせば、年をとるほど困難に直面するだろう。

「これからは地方の時代です」というウソほど、残酷なものはない。

政府、日銀による超金融緩和が長く続いた結果、これまで都市部のマンションは値上がりし続けた。

しかし冒頭で解説したように、株価の下落にともなう不動産価格の下落が、まもなく起こるかもしれない。

マクロで「お金の流れを考える」ことがカギ

ただ、今後日本の総人口はますます減り、空き家も急増する。経済も好調とはいえないなか、世界最悪水準の政府債務を抱えている。

現在の日本では、家計と企業には預貯金があり、政府には大きな債務が存在する。

解決困難な人口問題や巨額政府債務、それに円通貨の信頼性を裏打ちする日銀の資産の中身やバランス・シートが「国債まみれ」の危うい現実に拍車がかかれば、財政の持続性がさらに懸念される状況に陥る。

そして「円の信用」が大きく落ちれば、激しい物価上昇(インフレ)につながりやすく、実物資産である不動産も優良物件だけが買われていく。

預金や債券など円ベースの金融資産の価値がインフレで落ちるため、資金が一握りの優良な不動産や株に向かって逃げ出すためだ。

こうしたお金の流れを押さえておくことが、何より重要だ。

不動産が証券化・金融化された結果、住宅価格は日々変動しうる時代に入った。

それに加えて街の様子や住環境も、人口減や再開発などによって、10年後、20年後にはまったく違うものになるかもしれない。

住宅市場の流れは、人口に連動したお金の流れそのものである。

このことを知らないと、将来後悔する物件のローンを何十年も払い続けることになるかもしれない。

しかし、多くの消費者は過去の「常識の延長」で買ってしまう。

「残念なマイホーム購入者」の数が高止まりにならないよう、切に願う。

山下 努:不動産ジャーナリスト

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