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「在宅から出社へ」、社員を呼び戻す「アート」の力 新世代に選ばれるアートなオフィス環境とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 12時0分

一体どのようなコンセプトでオフィスを彩ったのだろうか。アートキュレーションの意図を聞いた。

「グリー側から示されたのが『Subcultural Retreat with a Kick(刺激的なサブカルチャーの隠れ家)』という総合テーマでした。私はそれにあわせて日本のストリートアートシーンで活躍するアーティストを中心に18名をピックアップし、約100種類の作品を製作してもらったのです」

同オフィスは、2023年の「日本空間デザイン賞」でも入賞を果たすなど、デザインの世界でも高評価を得ている。

デザインではなく「アート」だからできること

エンターテインメント企業であるグリーが、アーティストのクリエーションについての理解が深いことは想像にかたくない。しかし、他の業界ではどうなのだろう。オフィスアートはどのくらい浸透しているのだろうか。

「エンターテインメント業界に限らず、さまざまな業界がオフィスアートを取り入れています。実際私たちのクライアントの業界も、金融、コンサルティング、人材、官公庁などさまざまです。オフィスアートがビジネスに与えるプラスの効果は、調査結果によっても明らかにされているんですよ」

電通が行った調査によればアート・イン・ビジネス実施企業のほうがそうでない企業よりも、問題提起力・想像力・実践力・共創力の全ての項目が高いという結果が出ている。

「我々がクライアント企業に行ったアンケートでも、多くのケースでコミュニケーションの増加や、組織エンゲージメント力の増加、組織ブランディング力の向上など、前向きな効果があったというコメントを得ました」

デザインに凝ったスタイリッシュなオフィスは、これまでにも存在した。そこに加えてアートを取り入れることに、どんな意味があるのだろう。

「デザインとアートはまったく違うものです。デザインが与えるものはソリューションであり、想定された答えに導くプロセスであるといえます。一方でアートが与えるものは体験で、個人に解釈を委ね、旅へと連れ出すもの。アートに答えはないのです」

ビジネスの世界では自由な表現や創造により、新たな問いを発することができる「アート思考」が注目されている。企業がアートを取り入れる背景には、こうしたトレンドもあるのだろう。

社員も参加して作るウォールアート

「私たちTokyoDexは、アートを作る過程からオフィスで働く人々に参加してもらい、ワークショップを行うこともあります。社員でチームを作って議論し、そのアイデアをアートに反映させる体験を通して、社員の組織へのエンゲージメントを高めます」

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