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「8歳の誕生日プレゼント」が導いた大富豪への道 ChatGPTの親・アルトマンCEOが過ごした幼少期

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 14時0分

彼は当時の自分を「スターウォーズのようなSFに夢中になっていたナーディ(オタク気質)な少年」と表現する。これらのSFには、未来社会を舞台に人間と共存するヒューマノイド(人型ロボット)や人間の知能を遥かに凌ぐAIなどが登場する。

それらの影響を受けたアルトマン少年は、ある晩マックを操作しながら、「コンピュータはいつの日か自分で考えるようになるだろう」と直感した。当時は未だ漠然とした夢ではあったが、そうした考えるコンピュータつまりAIをいつか自分の手で実現できればいいなと思った。

アルトマンは2003年に米国西海岸の最高学府スタンフォード大学に入学する。

この大学は33平方キロメートルと小都市ほどの敷地面積に市街地のような舗装道路が整備され、椰子の木のような熱帯樹木と様々な教育・研究施設、学生寮、スポーツ施設、歴史的建造物などが並び立つ独特のキャンパス・ライフを提供している。単なる教育機関というより、一種のコミュニティを形成しているのだ。

世界的にも有名な、このスタンフォード大学でコンピュータ科学を専攻したアルトマンは、少年時代の夢を追うべく主にAI関連の講義を幾つも受講したが、いずれも幻滅を誘う内容だったという。当時のAIは、いわゆる「AIの冬」と呼ばれる低迷期を未だ脱していなかった。

「(AIは)全然使い物にならないと思った」とアルトマンは述べている。

19歳で中退、最初の起業

この頃のアルトマンはAI実現の夢を追うよりも、むしろ当時のインターネット・ブームに乗って一旗揚げたい、という思いの方が強かったようだ。2005年には早々と2年生(19歳)で恵まれた環境のスタンフォード大学を中退し、当時付き合っていた男性や友人らと共に「ループト(Loopt)」というスタートアップ企業を立ち上げ、そのCEO(最高経営責任者)に就任した。

この会社は(スマホが普及する前の)携帯電話のGPS機能を利用して、友人同士が今どこで何をしているかを互いにシェアするアプリを開発・提供する事を目指していた。

その起業に際してアルトマンは、当時シリコンバレーで立ち上がったばかりの「Yコンビネータ」の面接を受け合格した。Yコンビネータは、英国出身のコンピュータ科学者・投資家として知られるポール・グレアムとその妻のジェシカ・リビングストンらが2005年に共同創立したスタートアップ育成団体である。

Yコンビネータは一般に「シード・アクセラレータ(seed accelerator)」と呼ばれる団体の一つで、起業家や創業直後のスタートアップ企業に対して広範囲の支援を行う。それら支援の中には、事業資金やオフィス・スペースの提供、助言、人脈紹介などが含まれる。

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