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「8歳の誕生日プレゼント」が導いた大富豪への道 ChatGPTの親・アルトマンCEOが過ごした幼少期

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 14時0分

ある年、Yコンビネータには約1万9000社ものスタートアップ企業(の創業者)が応募し、そのうち合格したのはたった240社(人)だった。名門スタンフォード大学に入学するより難しいと言われている。

その面接を受けて合格した起業家達は、その後3か月間にわたってYコンビネータのパートナー(共同経営者)らから助言を受けながら、自らのアイディアを製品化する作業に取り組む。そしてその最終日に、投資家たちの前で自らの製品をデモンストレーションして資金を募るのである。このスタートアップ・ブートキャンプ(育成プログラム)は年に2回実施される。

Yコンビネータはこれら起業家やスタートアップ企業を支援する見返りとして、それら企業の発行株式の7パーセントを受け取る規約になっている。後にそれらのスタートアップがIPO(株式公開)を果たして大手企業に成長すれば、Yコンビネータも巨額の利益を得ることになる。

Yコンビネータの面接に合格して、そこから6000ドル(当時の為替レートで約66万円)のスタートアップ資金を得たアルトマンは、その後3か月間にわたるブートキャンプ最終日のデモ・デイで、首尾よく自らの製品(前述の携帯GPSアプリ)を投資家らに売り込み、3000万ドル(30億円以上)の資金をベンチャー・キャピタルから引き出した。

最初の起業で4億円を獲得

ただし、その後ループトのビジネスは伸び悩んだ。同社が事業を開始すると間もなく、アップルが2007年6月「アイフォーン」を発売してスマホ・ブームが巻き起こった。スマホと相性の良い「フェイスブック」のようなソーシャル・メディアの隆盛もあって、それ以前の携帯電話(いわゆるガラケー)を前提とするループトのGPSアプリなどは、あっという間に時代遅れになってしまったのだ。

結局アルトマンは2012年に、この会社を約4300万ドル(約34億円)で某フィンテック企業に売却。これを通じて個人的に500万ドル(約4億円)のお金を手に入れた。アルトマンはこのお金で長期旅行を楽しんだが、残りの資金を投じて自身のベンチャー・キャピタル(VC)「Hydrazine Capital」も立ち上げた。

これと前後する形で2011年、アルトマンはYコンビネータにパートタイムのパートナーとして加わった。やがて2014年2月には弱冠28歳でポール・グレアムの後を継ぎ、Yコンビネータの社長に就任した。

この人選の理由について、グレアムは「サムは私自身も含め誰よりもスタートアップを理解している」と述べた。また、アルトマンは周囲の関係者から「(衣類をしっかり固定する)洗濯挟みのように動じず、(捕食活動中の)ミミズクのように獰猛だ」と評された。

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