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ソニー"大当たり"したカメラ「VLOGCAM」の正体 VLOGに特化したミラーレス「ZV-E10」新製品登場

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 12時0分

2番目の特徴としてあげたいのがマイクだ。

VLOGでは自分自身が出演してカメラに向かって屋外でも歩きながらしゃべることが多い。従来のデジタルカメラやスマホで音声をきっちり拾うには別途専用のマイクが欠かせなかった。

VLOGCAMはそこに注目。カプセルマイクを3つ装備して、自分の声をメインに録ったり、逆に前方の声をメインに拾ったりできる。秀逸なのはウインドスクリーンを標準装備したこと。

これを付けることで屋外での風の音をかなり軽減でき、声をきちんと拾ってくれる。「もふもふ」と通称で呼ばれるこのウインドスクリーンの効果は絶大で、ひと目でわかる特徴にもなっている。

3番目の特徴は自撮り対応。

どのモデルもモニタが可動式で自撮りに対応しているほか、新しいモデルはタッチ操作用のアイコンを装備、スマホ感覚で操作できる。

静止画撮影時の手ブレ補正はレンズ側で行う設計だ。

撮った映像や写真は専用のアプリ「Creators' App」を介し、Wi-Fiでも有線(USB Type-Cケーブルで接続)でもスマホに転送して処理できるほか、スマートフォンやPCを介さず、カメラから直接クラウドにアップロードすることができる。

また、リアルタイム配信(YouTubeやFacebook Liveなど)にも対応しており、スマホを経由した動画配信もできる。

動画時の手ブレ補正も搭載

新製品は、カメラとしても進化している。

カメラの心臓部であるAPS-Cサイズのイメージセンサーは約2600万画素の新型。画像処理エンジンも最新のものになり、読み出し速度もAFも連写も高速になった。特に特定の被写体にフォーカスを合わせ続けてくれる「リアルタイムトラッキングAF」は優秀だ。

動画時のアクティブ手ブレ補正も搭載され、手に持って歩きながら撮ってもブレを抑えてくれる。

もうひとつソニーがウリにしたいのは「クリエイティブルック」。撮影する写真や動画のルック(元は映像業界の用語で、映像の色や階調といったテイストをあらわすもの)が豊富に用意されており、明るくて爽やかな感じや色鮮やかでくっきりした感じの画像を撮れる。

VLOGCAMを追うようにVLOG撮影用途を標榜するカメラは各社から発売されたが、どれも従来のラインナップにVLOG向きの機能を加えただけに見える。

2010年代、スマホに押されて市場が大幅に縮小したデジタルカメラは、いつしか確実に需要を見込める高価格の高性能機に注力するようになった。それにより1台あたりの利益は上がったが、新規カメラユーザーにとってのハードルも上がってしまった。若いユーザーが増えないと、カメラ市場はじり貧だ。

その点、若い人に馴染みの少ないファインダーをなくすなど、機能を絞って価格を抑え、コンセプトを明確にしたVLOGCAMは新しいカメラユーザーの獲得に成功したといっていいだろう。

荻窪 圭:IT&カメラ系ライター

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