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楽天が"ChatGPT風"の対話型AIを投入する勝算 新サービスで"買い物体験"に革命なるか

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 9時0分

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(筆者撮影)

いよいよ楽天も自社の持つデータベースをAIに活かす戦略に出た。楽天グループは8月1日に自社イベント「Rakuten Optimism 2024」を開催。そこで三木谷浩史会長兼社長は、生成AIを活用した新サービス「ユニバーサルコンシェルジュ」を近日中に提供開始すると発表したのだ。

【写真で見る】楽天市場の商品を提案する「ユニバーサルコンシェルジュ」(AI)は、これまでの検索やカテゴリー参照するといった買い物体験をガラリと変える

楽天の多様なサービスと直接連携したAIアシスタント

「ユニバーサルコンシェルジュ」は、楽天グループのサービスを横断し、対話型でユーザーのさまざまな要望に応えるAIアシスタントだ。三木谷氏は講演の中で、「楽天グループのユニバーサルコンシェルジュ、楽天グループのすべてを包含したコンシェルジュサービスがもうすぐスタートする」と述べた。要するに、楽天は自社サービスと連携するChatGPT風のチャットサービスを提供する計画だ。

デモンストレーションでは、幅広い質問に対応できることが示された。ユーザーが「レモンタルトの作り方を教えてほしい」と聞くと、AIはレシピを答えた。続いて「タルトに合う小麦粉がほしい」という質問には、楽天市場の商品を検索して候補を表示。さらに「500円以内で」と条件を絞り込むこともできた。また、「ゴルフ初心者の女性でも使いやすいゴルフクラブはある?」といった複雑な質問にも対応できることが示された。

このAIアシスタントは楽天のさまざまなサービスと連携し、例えばぐるなびと連携して飲食店を推薦したり、楽天トラベルと連携して旅行プランを提案したりする。将来的には、楽天カードの利用履歴を分析し、個人に合わせたクレジットカードや携帯電話サービスの提案も可能になるかもしれない。

ただし、現時点では正式な提供時期や詳細は明らかになっていない。楽天グループ広報部によると、「ユニバーサルコンシェルジュ」は実験的な機能であり、詳細は未定とのことだ。

AIを活用した検索サービスは、すでにBingやOpenAIの「SearchGPT」などが存在する。これらは楽天のサービスとは直接競合しないものの、質問に対して詳細な回答を提供する点では類似している。楽天の強みは、自社の多様なサービスと直接連携できる点だ。

これらのサービスは、楽天が目指すショッピングや旅行に特化したAIアシスタントとは直接競合しないものの、ユーザーの質問に対して検索ベースで詳細な回答を提供するという点では類似している。楽天の「ユニバーサルコンシェルジュ」は、同社の多様なサービスと連携することで、より具体的な商品推奨や予約支援といった実用的な機能を提供することを目指しているようだ。

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