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フワちゃんCM削除「Googleの判断」が妥当な理由 「やす子が許せば問題ない」とは企業は考えない

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 20時40分

Google(Alphabet)ではきわめて厳しい人権ポリシーを有し、さらにそれを日々、進化し続けている。CMに出演したタレントがそのことを知らしめるという、なんとも皮肉な炎上だった(画像:本人の公式Xより)

「◯ね」は、安易に発していい言葉なのか

個人的な話をお許しいただきたい。私の身近に、精神科医にかかっている人がいる。もちろん珍しいことでも、恥ずかしがるべきことでもない。また、重度ではない。私ができることといえば、たまに会って、たわいもない話をすることだ。

【画像】やす子「とっても悲しい」。それを受けてフワちゃんがXでポスト

ときにメディアで「◯ね」とか、それに近い言葉を目にする。なかには笑いながら言い合っているものもあるので、発言者の意図が邪悪なものばかりとは思わない。しかし、私はつねに、冒頭で紹介した身近な人間を思い出してしまう。

それらの言葉はもちろん、その人に投げられたものではない。ただ、ときに気持ちが落ち込んでいる瞬間に、次々と「◯ね」といった言葉が目に入ってきたらどうだろうか。どんな感情にいたるだろう。最悪の選択だけはしないでほしい、と私は願う。

【画像10枚】フワちゃんCMを即削除(非公開)としたGoogle。企業行動規範は「Don't Be Evil」で、サプライヤー(供給者)にも厳しいポリシーを課している

先日、厚生労働省の統計を見て驚いた。精神疾患を有する総患者数は約614.8万人もいて、外来は約586.1万人にもいたる。このなかには認知症も含まれている。だからすべてが気分障害ではない。しかし、予想以上にその数の多さに驚いた。

かつてテレビなどでは今日よりずっと暴言が溢れていた。それは芸能人同士の演出だったり、お約束だったりしたかもしれない。ただ、気分障害を抱える相当数の方が気を害したにちがいない。

たとえば「嬉しすぎて死んじゃいそう!」というフレーズを聞いて落ち込むひとはあまりいないだろう。「これが達成できたら死んでもいいよ!」などもポジティブな感覚がある。

ただし、「◯ね」を使い、ポジティブなフレーズは思いつかない。かなり強い表現だ。発する本人の意図とは別に、冗談や軽い意味とは捉えられず誤解を招く。それに、自分の発言がどこかで最悪な引き金をひく可能性は自覚しておきたい。

公開暴言で炎上、Googleは即CMを非公開に

ところで先日から、一流女性芸能人が、おなじく一流女性芸能人にSNS(X)で暴言を吐いたことが話題になっている。

検索すればいくらでも出てくるし、冒頭に書いた私の人間関係ゆえに、書き写すのも控えたい気持ちが私にはある。記事の便宜上、タイトルにはその一流芸能人の名前を、担当編集者が入れるだろうが(あまり知られていないが、メディアで見出しをつけるのは基本的に編集者であり、書き手はそこまで関与できない)。

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