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存在感増す「ビデオ判定」ジャッジ支える技術の今 ソニー、スポーツ観戦「もっと楽しく」の超進化

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 9時0分

すっかりおなじみとなったサッカーのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)。フィールドとは別の場所で試合の映像を確認しながら主審をサポートする(写真:Dan Mullan/Getty Images)

今から2年前の2022年12月2日、カタールで開催されたサッカーW杯の日本対スペイン戦。1対1で迎えた後半6分、三苫薫選手のゴールライン間際の折り返しによって、逆転ゴールにつながったシーンを覚えている人は少なくないだろう。

【写真を見る】ボールのトラッキング技術を用いて、ボールがラインを超えたかどうかを判定する

このときの判定を決定的にしたのがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だった。ゴールラインを割ったかどうか。最後の決め手となったのは、ボールが1mmほどゴールライン上に重なっていることを示した画像分析だ。

今も「三苫の1mm」と語り継がれる、この奇跡的な判定を演出したのは、ソニーグループのホークアイ・イノベーションズの技術だった。こうしたスポーツ分野におけるテクノロジーの活用がさらなる発展を遂げている。

VARなど審判判定支援が強みのホークアイ

ホークアイは2001年にイギリスで創業、2011年よりソニーグループの子会社となった。もともとは、クリケットを楽しんでもらうためにボールの動きを追跡するトラッキング技術を開発したことに端を発し、現在その技術はサッカーや野球、テニスなどの競技で使われている。

サッカーのVARやテニスのライン判定に代表される審判判定支援のほか、取得したデータはコーチングやファンエンゲージメントにも活用されている。

【写真】「ビデオリプレイ」のほか、ボールの「トラッキング」や試合の「データ取得」技術を使ってスポーツ観戦に大きな変化をもたらしている

このホークアイの日本でのビジネスを統括しているのが、ソニー・スポーツエンタテインメント事業部の原知彰氏だ。

「ホークアイは審判判定支援サービスを強みとしており、サッカーや野球など世界のスポーツリーグや連盟と直接ビジネスを行っている。25以上の競技において90以上の国と地域、500スタジアム、年間2万イベント以上で運用されている」

ホークアイの基幹技術は「ビデオリプレイ」「トラッキング」「データ取得」の3つにある。

中でも「ビデオリプレイ」のVARでは、FIFA(国際サッカー連盟)のルールに基づいて、レフェリーにどう見やすい映像を提供するのか、そのオペレーションも含めて運用をしている。VARではオペレーターも審判資格が必要で、フィールドの審判と一緒に一定レベルのトレーニングを受けている。

サッカーのほか、日本国内でもバレーボールVリーグ男女のチャレンジシステム、バスケットボールBリーグ男子のビデオ判定、ラグビーリーグワンのTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)、競馬の騎乗違反判定などでも利用されている。

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