「継続は力なり」が脳科学的になかなか難しい根拠 「赤ちゃんでも飽きる」のに大人が飽きるのは当然
東洋経済オンライン / 2024年8月11日 16時0分
目標に向かって、ある特定のことを毎日「続ける」のは、決してラクなことではありません。もちろん、習慣化に成功し、何年も同じことをうまく続け、大きな夢をかなえた人は多くいます。「継続は力なり」はあまりにも有名な格言です。
続けられる人と続けられない人の間にはどんな違いがあるのでしょうか。脳神経外科医の菅原道仁さんが脳をその気にさせる方法を綴った『すぐやる脳』より一部抜粋、再構成してお届けします。
「飽きっぽくない人」などいない
人は何かをなしとげたとき、困難を克服したとき、つまり「成功体験」をしたとき、ドーパミンが出ることがわかっています。ドーパミンが出ると、心地よい状態になります。そして、脳は「またその状態になりたい」と思い、脳の中で、その行動にまつわる部位の働きを活性化させようとします。
ドーパミン・コントロールの具体的な方法は次のとおりです。
ステップ① 自己暗示をかける
ステップ② スモールステップに分ける
ステップ③ ドーパミンを分泌させる
この①~③のステップのサイクルを繰り返すことで、ドーパミン・コントロールを習慣として定着させられるようになります。
「できる」「続けられる」といった自己暗示をかけ、小さな課題をクリアし、快楽物質のドーパミンを出す。その人たちの脳で、このような「ドーパミン・コントロール」が行われていたことは疑いようがありません。
ではいったいどうすれば、人はドーパミン・コントロールをたやすく習慣化して、持続できるのか。
まず、なぜ「続ける」ことが難しいのか、お話しさせてください。
脳科学的に考えると、答えはシンプル。続かないのは、「飽きるから」です。
よく「私は飽きっぽい」といったことを言う人がいますが、逆に「飽きっぽくない人」など脳科学的に見ればいないのです。
行為自体に飽きる、ということもあれば、報酬に飽きることもあります。
「『報酬に飽きる』だなんて、なんだか贅沢な話に聞こえるなぁ」
そう思われるかもしれませんが、残念なことに事実です。
脳は、報酬がいつもと同じだったり、枯渇したり、少しでも魅力を失ったりすると、途端に興味を失ってしまいます。
刺激に素早く「慣れる」のも脳の仕事
効果的に脳に働き続けたいなら、報酬をアップデートし続ける必要があります。
そもそも脳にとっては、刺激に素早く「慣れる」ことも仕事のうちです。仮に「慣れない」「常に新鮮」などという状態でいたら、脳はエネルギーを使う量が膨大になり、疲弊してしまいます。「慣れる」ということは脳の機能を維持するために、大切なことなのです。
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