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相手のために時間を使う「承認の力」で築く信頼 「相手の目を見る」ささいな行動一つで違い

東洋経済オンライン / 2024年8月12日 16時0分

1on1を行うというのは、まさに上司が部下を承認するために、時間をとっている行為になりえます。

1on1の冒頭で、上司が「こういうことを今日は聞きたい」「こういうことについて、君の考えを教えてほしいと思っている」と言えば、部下は、「この人は自分のために時間をとって準備をしてくれた」「これから時間を使おうとしてくれている」と思うでしょう。

逆に、上司がいきなり少し面倒くさそうな顔で、「さあ、やるか」と部下を呼びつけ、準備もしていないのがあからさまで、「何かある?」と聞いてくるような1on1ならどうでしょう。

さらに部下が答えを迷っていると、「そういえば」と上司が話を切り出し、部下にやってほしいことを一方的に伝え始める。挙げ句の果て、1on1は30分の予定なのに、10分ほど経ったところで、「この辺でいいかな、今日は」と一方的に切り上げてしまう……。

このようなケースでは、上司が部下のためにまったく時間を使っていない、ということが明瞭に表現されます。

これは、存在承認の真逆の行為です。

上司の側がこのような態度をとっていながら、「部下が動いてくれない」と愚痴をこぼすのはないだろう、と思うわけです。せっかくの信頼関係を醸成する場としての1on1を、まったく活かせていないわけですから。

相手から受け取ったボールはすぐ返す

「メールなどにクイックレスポンスする」というのも、この人は自分のために時間をとってくれた、と伝わる行為です。現役時代に外交に携わられていた方のエピソードを紹介します。

この方と最近、いろいろとメールでやりとりする機会があります。驚いたのは、とにかくレスポンスが早いということ。リタイアされたからといって、暇ということはまったくない方です。内外の企業の顧問を務め、あちらこちらを飛び回り、とにかく多忙。それなのに、メールの返事が本当に早い。

そこで、思うわけです。この人は、私のために忙しいなか、時間をとってくださっている。自分を大事にしてくださっている。

この方はさまざまな国に赴任され、どの国においても自らどんどんその国の要人との良好な関係づくりに努めてこられたと聞いています。

このようにして、人との信頼関係を構築してきたのだろうなと、その所以たるところを垣間見た気がしました。このメールのやりとりを通して、短い間に一気に関係が深まりました。

逆に、いつまでもメールを返さない人がいます。LINEやSlackといった連絡ツールであっても、伝書鳩を使っているのかと思うほど反応が遅い。

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