自分の仕事じゃない他人のフォローで疲弊する訳 余裕のなさとマネジメント不足が招く理不尽
東洋経済オンライン / 2024年8月13日 15時0分
名もなきフォローが必要な職場というのは、メンバー個々の能力やスキル不足から生まれると思われがちですが、実はこのように組織としての構造的な問題が根底にある場合も多いのです。
本来は、上司が雇用形態の違いもふまえて職場全体の流れを俯瞰しながら、場あたり的に人を投入するのではなく、メンバーの役割を明確にすること、そして重複や穴がないように調整することなど、つまり適正なマネジメントこそが必要です。
人が補充されたのに不毛なフォローに追われて、以前と状況があまり変わらないということになると、次第に「怒り」の感情が上司や組織に向いていきます。
そうなると、メンバーの士気が一気に低下して、職場全体がギスギスした雰囲気になってしまいます。
よく気がつく人に仕事が集中する職場
【例】
営業フロアでの勤務。お客様の案内も外線電話の対応も、いつも私をふくめて同じ人ばかりがやっている。バックヤードの仕事も忙しいとはいえ、お客様が並んでいても絶対に案内しない人、電話に絶対に出ない人がいてイライラする。
お客さんに気づいてすぐに案内する人、電話が鳴るとすぐに出る人。一方で、お客さんが来ても顔すら上げない人、いくら電話が鳴っても最初から出ないと決めこんでいるような人もいる。
そうなると、つい「なんで自分ばっかり……」という気分になってしまいますよね。どうして、こういう状況が起こるのでしょうか。
認知心理学的に見ると「注意を向ける力」が関係している可能性があります。
人は自分が今いる環境のなかで、必要なことに効率よく注意を向けて情報をキャッチしています。これが注意を向ける力です。
ただ、この力には、かなり個人差があります。たとえば、広い範囲に注意を向けて情報をキャッチできる人もいれば、手もとに集中すると、ほかのことが一切見えなくなったり、聞こえなくなったりする人もいます。
前者のタイプの人は、お客さんや電話にすぐに気がついて対応します。それだけでなく、同僚が自分と関係のある業務の話をしていると気がついて、必要であればそこにさりげなく加わるといったフォローもできます。
一方、後者のタイプの人は、来客や電話に気づかない、気づくのが遅い、話しかけてもなかなか気づかない、ということが頻繁に起こります。
前者のタイプの人からすると、自分の感覚的にはありえないので、「あの人はサボっている。面倒なことを避けている」ように見えてしまうのです。
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