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スマホの子供への悪影響は保護者の使い方だった 子供の使用時間と心の成長に関連は見られなかった

東洋経済オンライン / 2024年8月13日 10時0分

一方で、保護者が子供のいるところで携帯電話を使用するほど、子供の感情理解度が低くなることがわかりました。ミュルスキーら(2018)の研究から、保護者が子供の前で携帯を使うとき、注意が分散され、無表情になることがわかっています。

このことと併せて考えると、子供は自身の言動や行為を保護者にちゃんと見てもらえず、保護者から有益な反応も得られず、ゆえに心の成長にとって必要な感情的関わりが希薄になると想像できます。

国立青少年教育振興機構による調査(2018)によれば、「私が、親と話そうとするとき、親は『時間がない』、『いま忙しい』などと言う」という設問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した小学生の割合は44.1%、中学生の割合は36.5%となっています。

また、「親は携帯電話やスマートフォンを使用しながら私と話す」という設問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した小学生の割合は47.4%、中学生の割合は47.5%という結果でした。

このことから、日本の少なくない子供たちが、親からの反応や関わりを求めているにもかかわらず、得られない、得られたとしても、注意が分散されていると考えられます。

ここで、子供の心の成長に寄与するためにできることが見えてきます。すなわち、子供と関わるとき、子供が関わってほしいと望むときは、携帯電話やスマートフォンを見ない、ということです。

「自分の行為に反応してくれている」と感じてもらう

「子供の可愛い顔を撮影するからスマホは必要なの」という場合には、お子さんの行為に、「あら、可愛い!」「素敵!こっち見て」「すごいね!」と言葉、表情、声、身体などで反応を見せることと併せて撮影すること。お子さんに、「自分の行為に親は反応してくれている」という感覚を抱いてもらうことが重要なのです。

「さらに積極的に子供と関わりたい!」と思われる保護者に、本調査結果の続きがあります。

子供の読書時間が長いほど、子供の感情理解度が高くなることがわかりました。また、子供との感情的関わりが多いほど、子供の感情理解度および共感力が高くなることもわかりました。

このことから、子供に物語を読み聞かせながら、登場人物の感情について想像したり、共感を示したり、感想を尋ねたり、感想を交換しあったりする。本が難しければ、テレビドラマや一緒に映画を楽しみながら、こうしたことをするのもいいかもしれません。子供の心の成長を促すことができるでしょう。

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