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「部下を利用する」未熟なリーダーに欠けた視点 「優れたリーダー」ほど長けている2つの能力

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 8時10分

レジー氏は少々我が強く、濃すぎるくらいの個性の持ち主と見受けられますが、任天堂最大の子会社であるアメリカ任天堂の責任あるポストで結果を出し、任天堂そのものの起死回生にも貢献しました。

それは、まず彼自身に明確なビジョンがあったこと、そしてそれを周囲に伝わるように言語化し、納得させて巻き込む力に秀でていたことによるのでしょう。

優れたリーダーのチーム構築力とは

任天堂のようなゲーム会社の成功譚というと、いかに優れたコンテンツを生み出したか、つまりゲームクリエイターのほうに注目が集まりがちですが、本書の著者はマーケターです。しかし非クリエイターにも、何事かを成し遂げるには、クリエイティブに考え、決める力が必要です。

非クリエイティブな職種だからといってクリエイティビティが不要なわけではありません。アートに近い「表現としてのクリエイティブ」とは別に、ビジネス上の課題を解決する「ビジネスのクリエイティブ」というものがある。そんな考えから、このたび私は『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』という本を上梓しました。

本書を読んでいても、著者は非クリエイターながら「ビジネスのクリエイティブ」を存分に発揮して結果を出してきた人物のように見受けられました。

それはP&Gやペプシコといった企業でマーケターとして活躍した軌跡にも見られますし、任天堂再生をかけた大勝負と意気込まれた巨大ゲームイベント「E3」に際し、社長の岩田聡氏などにしつこくかけあって効果的なプレゼンを実現させた様など、任天堂での仕事ぶりにも随所に表れています。

特に人を率いる立場になると、クリエイティブな課題解決をしていくには「チーム構築力」が問われます。

リーダーが微に入り細を穿つまでに目を行き届かせ、全プロセスを自身が手がけるわけにはいかない中で、異なる個性を持つチームメンバー1人ひとりがどう輝くのかを考え、それぞれの長所や強みを引き出しながら、かつ1つのチームとして機能するようにまとめあげなくてはいけません。

そのうえでリーダーとして、先に述べたような言語化力と巻き込み力が発揮されたときに、チーム一丸となったクリエイティブな課題解決が可能となり、大きな成果も上げることができるのです。

そこでつくづく思うのは、優れたリーダーほど、抽象的な話と具体的な話を行き来しながら、物事を構造化して捉えるのがうまいということです。その力が、要するに、成果を上げるチーム構築に欠かせない言語化力や巻き込み力に直結しているといっていいでしょう。

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