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「部下を利用する」未熟なリーダーに欠けた視点 「優れたリーダー」ほど長けている2つの能力

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 8時10分

リーダーがそれをすることで、チームの誰一人として置き去りにされることなく、1人ひとりが役割意識と熱意をもって課題解決に取り組めるようになるわけです。

その点、未熟なリーダーは部下を自分のために利用しようとするきらいがあります。私自身、かつてはそんな未熟なリーダーであったという自覚がありますが、それでは一時的・短期的な栄華は味わえても、長く勝ち続けることはできません。

永続的に結果を出していくには、チームメンバーのパッションを高め、自ら意欲的に仕事に取り組んでくれる状態をつくる必要があり、そのためには、やはり先に説明したような言語化力と巻き込み力が欠かせないのです。

少し先の未来を思い描くことの積み重ね

レジー氏は「準備と機会が出会うことが、すなわち幸運である」という主旨のことを書いています。幸運とは気まぐれに向こうからやってくるものではなく、常に備えている人のところに必然的に舞い込むものであるということでしょう。

これと少し似ていて、私自身、仕事も人生も「少し先の未来」を思い描くことの積み重ねであると考えています。よく「人生を予約する」とも表現するのですが、それは「人生計画を立てる」というほど大仰なことではありません。

少し先の未来について、「これをしたい」「こういうことが起こってほしい」「こういう方向に進みたい」と願ったときに、「これができる」「こういうことが起こる」「こういう方向に進める」というつもりでいれば、いざ、そのチャンスがやってきたときに見逃さずに済むという、その程度のこと。しかし、その程度のことが、なかなか侮れないのです。常に「そうなるつもり」で備えている人こそが確実にチャンスをつかめるといっていいでしょう。

また、少し先の未来を思い描くというのは、「最悪」を想定するということでもあります。実際、できる人ほど臆病であり、対策も含めて「うまくいかなかった場合」について考えているものです。もちろん、「最悪」は現実にならないのが一番ですが、それを想定しておけば、何があっても、たいていのことには冷静に対処できます。

特にリーダーの肩には、チームメンバーの人生が乗っかっています。その意味では、少し先の未来を思い描き、「そうなるつもり」でチャンスに備えること、あるいは何があっても冷静に対処できるよう、常に「最悪」を想定しておくこともまた、リーダーに求められる素養の1つといえます。

もし優れた上司に出会えたら

ここで視点を反転させて、現在、部下の立場にある人たちに伝えたいのは、仕事で尊敬できる人と出会ったら、その人に好かれる努力はいくら割いても無駄にはならない、ということです。

組織にはいろいろなリーダーがいます。「上司ガチャ」とも言われるように、部下は基本的には上司を選べないので、未熟な上司に当たってしまう可能性もあります。そこは難しいところなのですが、もし幸いにして優れた上司をもったら、どんどん食らいつき、かわいがってもらうことで、一緒に成功を味わえるだけでなく大いに学びになるでしょう。

(後編に続く)

(構成・福島結実子)

齋藤 太郎:コミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクター

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