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「虎に翼」モデル"三淵嘉子"大胆すぎるスキー事件 アクティブな嘉子のあだ名は「ムッシュ」だった

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 11時0分

だが、異性という意味合いだけではなく、成績の面でも、男子学生は女子学生を意識していたのではないかと、嘉子は振り返っている。

「東京で法律を学べる唯一の大学である明大を目指してきた女子学生の中には優秀な人が多く、また勉強も真剣であったから、成績に関しては本家の男子学生を凌ぐものがあり、当時の明大の男子学生にとって女子学生の存在は競争刺激剤としての存在意味があったのではなかろうか」

逆に言えば、嘉子にとって男子学生はやや迫力に欠けたのではないだろうか。期末試験となれば、前後左右の男子学生からカンニングを迫られたこともあったとか。この逸話からも、男性のみが法律家になれるという、それまでの状況は、「はて?」と誰でも首をかしげたくなるというものだろう。

嘉子は大学でも、充実した学生生活を送ったようだ。女子部からの仲良しグループと大学の混声合唱部に入り、休日となれば熱心に活動した。

首席で大学を卒業して司法科の試験に臨む

その一方で、学業は成績トップをキープし続けて、1938(昭和13)年3月、首席として卒業することとなる。

あとは、11月に行われる高等文官試験司法科の試験を突破するのみ。女性合格第1号を目指して、嘉子はオリジナルの勉強スタイルで、試験に挑むこととなる。

(つづく)

【参考文献】
三淵嘉子「私の歩んだ裁判官の道─女性法曹の先達として─」『女性法律家─拡大する新時代の活動分野─』(有斐閣)
三淵嘉子さんの追想文集刊行会編『追想のひと三淵嘉子』(三淵嘉子さん追想文集刊行会)
清永聡編著『三淵嘉子と家庭裁判所』(日本評論社)
神野潔『三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(日本能率協会マネジメントセンター)
佐賀千惠美 ‎『三淵嘉子の生涯~人生を羽ばたいた“トラママ”』(内外出版社)
青山誠『三淵嘉子 日本法曹界に女性活躍の道を拓いた「トラママ」』 (角川文庫)
真山知幸、親野智可等 『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)

真山 知幸:著述家

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