母子家庭・中堅大卒から「上場企業の社長」の軌跡 非学歴エリート連載10年の節目でリニューアル
東洋経済オンライン / 2024年8月14日 10時0分
上記のキャリアの部分(卒業後)だけを見ると「頑張りましたね」とか、「すごいですね」と言ってくれる方も多く、20代の頃は「安井さんは大学はハーバードとかですか?」なんて聞かれたこともあった。
そんな中、「いや普通の都立高校から中堅どころの日本の大学です」と答えると
「へっ?」
と言われたものだ。
突然変異が自分の面白さ
そう、そのギャップ、つまり東大や名門私立出でもないし、ましてや幼少期から英才教育を受けてきたわけでもないのに、突然変異した(ように見えなくもない)のが、自分で言うのも何だけど面白いのだと思う。
そしてそれは偶然ではなく、自分なりに戦略性を持って人生設計やキャリア設計をしてきた結果だと思うし、文字通り血を吐いて(言葉のあやではなく、本当に仕事のし過ぎで血を吐いた)まで、自分事として真摯に自分の人生なりに向き合ってきたからだと思う。
もちろんその中ではいろいろなヒトとの出会いや周りのサポートや協力があったことは確かだし、それは今でも変わらないし、そのことには日々感謝して生きている。
何はともあれ、学生の段階ではそういったトップティアの学校に通う学生たちと比べると圧倒的に出遅れていることがわかっていたので、どう勝負するか、どこで勝負するかの見極めは非常に大切だったし、逆に言うとそこを間違えるとその先非常に苦労することになると思う。
ここでは2つあって、まずは自分が置かれた環境の冷静な見極め、そしてそのうえでの戦い方を考えること。
大学生と一括りになって安心してしまうのではなく、その中での学業上や人脈形成なんかにおける序列とか、そういったことをキチンと理解していたことは自分にとって幸運だったと思う。(もちろんそれは学生に限った話ではなく、社会とか会社員とかでも同様だ。)
つまり、就職氷河期でITバブル崩壊を経て、という時代においてトップティアの学生たちと同じ志向や思考、そして同じやり方で就職活動をしても意味がない、ということの見極め。これが重要だったと思う。
当時は履歴書100枚送って二つ返事が来ればラッキーみたいなのが周りでは普通で(しかも当時はまだ手書きがメインだったので、履歴書で腱鞘炎に、なんて笑えない話がよくあった)、そんな状態に嫌気がさして、意図的な留年をしたり、卒業前にいきなり海外留学を選択したり、またはフリーターになったりするヒトも多くいた。
一流大学の学生と差別化を図り勝負
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