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母子家庭・中堅大卒から「上場企業の社長」の軌跡 非学歴エリート連載10年の節目でリニューアル

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 10時0分

冷静に考えてみれば就職氷河期だった当時、企業側は採用を今とは比べようがないほどに絞っていた。その中での採用となれば「成功の確率」を上げるためにより良い大学出身者を優先的に採用しようとするのは当たり前だったわけで、上位校の学生と同じやり方が通用しないことはすぐにわかるはずだったが、当時あまりそんな論調は聞かれなかった。

何はともあれ、そんな状況だったので、私は

・皆が極力避ける場所(競争率が比較的低いので)で
・一流大学の学生の弱い分野を徹底的に身に付けて勝負(差別化)

といったようなことを在学中から考え、前者はITバブル崩壊後のベンチャー企業に絞った活動を、そして後者は有名校でもできないヒトが多い英語や、そもそも大学では学ぶチャンスはあまりなく、でも社会人的には必須スキルの会計や財務の知識に焦点を当てた。

つまり、自分が戦うべき、というか戦える場所と所属する大学のレベルに関わらず勝負できるスキル取得に注力して、その時に学歴上でのハンデの克服に努めたわけです。

今でこそいわゆるスタートアップやベンチャー企業が学生を採用するというのは結構普通ですが、当時はそもそも新卒なんて募集している企業はありませんでしたから、そのやり方にもちろん工夫しましたが、詳細なエピソードは紙面の都合上、拙著に譲ります。

そんな中、当然卒業後何年間かは誇れる経験もないし、即効性のあるスキルなんて限定されていますから、仕事のアウトプットを最大化するための法則である「経験・スキルの習熟度×投入時間」の後者である時間について、誰にも負けない圧倒的な仕事への時間を投入し、スキルのなさを時間でカバーしていたのが最初のことでした。

要は誇れるユニークネスがないからこそ、誰にでも平等な24時間という時間の使い方で勝負した、というわけですね。「24時間働けますか」を地で行き、週末も祝日も関係なく、という感じです。

もちろんそんなことをずっと継続できるわけではないので、27歳まで、35歳まで、そしてそれ以降でそれぞれ、どう戦うかを考え、人生における仕事時間、勉強時間、プライベートの時間、といった時間の種類ごとに優先順位付けをしてきて、徐々に24時間における優先順位や戦い方を変化させていったのは言うまでもありません。

その後の戦略コンサル時代も、東大卒×MBAとか公認会計士や弁護士といったヒトたちがそれこそ石を投げれば当たりまくるような環境下、IPOの経験とか、上場企業CFO経験とか、自分ならではのユニークネスでもって、戦ってきて、というかもがいてきました。

キャリアを会社に「丸投げ」してないか

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