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日本人が「幸福」を感じられないのは給料の問題か 前回よりUPも、日本の「幸福度ランキング」は?

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 15時0分

物質的な条件だけでなく、精神的な条件にも焦点が当てられ、人々の幸福感を判断する要因は個人間である程度共通していることがわかってきています。

また、脳科学の研究によれば、脳が最も幸福を感じるのは“家族”であるとされています。幸福度に関する研究は、人々が幸福を感じる要因を解明することを意味しており、難しい課題ですが、成功すれば社会に大きな貢献をすることが期待されます。

給与明細の数字は増えているのに

給与明細の数字が増えているのに、生活の豊かさを実感できないことはよくあります。この状況を理解するためには、「名目賃金」と「実質賃金」の違いを考える必要があります。

「名目賃金」は具体的な金額のことを指します。

例えば、月給が20万円から25万円に増えたとしたら、これが名目賃金の増加です。これを喜ぶのは自然な反応ですが、これだけで生活の向上が保証されるわけではありません。

名目賃金の増加だけでは、物価の変動を考慮していません。「実質賃金」は、名目賃金から物価の上昇を割り引いて計算することになります。

名目賃金が増えたとしても、物価が同時に上昇していれば、同じ1万円でも商品を購入したり、サービスを利用したりできる量が減少し、実質的な購買力が低下している可能性があります。

つまり、実質賃金とは名目の賃金が持つ実際の購買力を示すものです。これが「名目賃金と実質賃金の違い」です。

見た目の賃金が上がっていたとしても、生活の充実感が得られないのは、実質的な賃金が上がっていないためと考えることができます。

もう1つ考えるべき要素は、生活の変化にともなう支出の増減です。

給与が上がっても、生活様式が変わり、新たな支出が発生することがあります。これを考慮しないと、給与が増えたはずなのに生活が改善されていないと感じることがあります。

また、給与が会社から銀行振り込みなどで受け取る場合、支給される給与から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いた可処分所得(いわゆる手取り収入)が、賃金が増えたかどうかを実感する金額でしょう。

給与明細に記載された数字が増えても、実際の生活水準を向上させるためには、物価上昇や生活の変化にともなう支出、そして実質賃金の視点からも給与を評価することが必要です。

手元に残るお金を「最大化」するには?

一方で、給与の数字が増えても生活の充実感を得るためには、お金以外の要素も重要です。仕事のやりがいや自己成長の機会、ワークライフバランスの充実度なども生活の満足度に影響を与えるでしょう。

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