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「アップル、グーグル、メタ」XR巡る三つ巴の戦い ゲーマーやSNSユーザーから支持されるメタ

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 12時0分

デバイスとOSの両方を開発する企業にとっては、OSの利用者数確保も重要なミッションとなる。有料アプリを販売するアプリストアからの収益も見込んだ戦略を立てる必要があるためだ。

この点においてはApp Storeを持つアップルと、Google Playを持つGoogleが強いアドバンテージを持つ。前述したように、すでにスマートフォン/タブレット用として高い評価を持つアプリを大量に扱っており、デバイス購入後すぐに自分の求める機能(アプリ)を追加することができるメリットがある。BtoBで必須となる、生産性を高めるアプリも揃っている。

アプリ開発者側から見ても、XRヘッドセットユーザーだけではなくスマートフォン/タブレットのユーザーもターゲットしたアプリを作れば、収益性を高められそうだという期待感がある。

エンタメ重視のメタにとっては試練となるか

対してメタのMeta Questストアは、ゲームやフィットネスなど個人で楽しめるエンタメ系アプリは豊富で、クオリティも高い。7月にアーリーアクセス版が公開されたゲーム「進撃の巨人VR: Unbreakable」は発売3日目で全世界週間1位となるなどグローバル人気が高く 、数多くのQuestユーザーが調査兵団の一員となって巨人退治に勤しんでいる。

しかしBtoBの分野となると、弱い。デバイスの販売台数は多くともコアユーザーが若年層であることが原因か、現在Meta Questストアで提供されているBtoB向けのアプリは数が少ないし、完成度が低い。Microsoft Word、Excel、PowerPointはまだいいものの、マルチデバイス対応の業務用コミュニケーションアプリであるMicrosoft Meshは操作性が悪く、コマ落ちしているように画面もガタついている。とりあえず作ってみた、そんな習作の雰囲気も感じられる。

Quest 3はAndroid準拠のデバイスゆえにAndroid用アプリの一部が使えるが、Google Playにはアクセスできないためインストールするにはかなりの手間を必要とし、現実的ではない。Androidアプリ、Android XRアプリを開発する企業や開発者を迎え入れ、Meta Horizon OS用アプリとして移植してもらい、Meta Questストアで提供してもらうためのフレームワークを作る必要があるだろう。

豊富なアプリ資産をもとに、ビジネスマンが仕事で活用できる空間コンピューター/OSを作ったアップル。同じ思想を持ちながら、Androidビジネスモデルの利点を活かそうとしているGoogle。そしてホビーパソコンならぬ、ホビー空間コンピューター/OSとしての価値は極めて高いメタ。

どの企業がXR業界を率いていく存在になるかは、当分わからない。しかし今までアップルvsメタの戦いだった舞台にGoogleが参戦することで、競争が激化することは間違いない。

武者 良太:フリーライター

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