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ゲーム感覚で仕事を楽しめる人が成果を出す理屈 「もっとやりたい」と脳が自然にやる気を起こす

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 16時0分

人の脳は「成功体験」をしたとき、ドーパミンが出て心地よい状態になります(画像:metamorworks/PIXTA)

脳科学的に考えると、人間が物事を続けられないのは「飽きるから」。脳には「常に新しい刺激をほしがる」性質があります。効果的に脳に働き続けるには、脳に対して「興味の対象」を次々と提示していく必要がありますが、そのやり方の一つが「ゲーム」にすること。

「『継続は力なり』が脳科学的になかなか難しい根拠」(8月11日配信)に続いて、脳神経外科医の菅原道仁さんが脳をその気にさせる方法を綴った『すぐやる脳』より一部抜粋、再構成してお届けします。

ゲーミフィケーションで「マンネリ化」は防げる

人の脳は「成功体験」をしたとき、ドーパミンが出て心地よい状態になります。その上で

ステップ① 自己暗示をかける

ステップ② スモールステップに分ける

ステップ③ ドーパミンを分泌させる

この①~③のステップのサイクルを繰り返すことで、うまく習慣化していくことを「ドーパミン・コントロール」といいます。

「常に新しい刺激をほしがる」という脳とうまく付き合い、ドーパミン・コントロールを「続ける」ために、ぜひ覚えておいてほしい概念が「ゲーミフィケーション」(gamification)です。

ゲーミフィケーションとは「ゲーム」にすること。人にある目的を自発的に取り組ませて達成させるため、ゲーム感覚で楽しめるよう工夫することを指します。

アメリカでゲーミフィケーションのシステムを提供する「リップル」社のCEO、ダニエル・デボウ氏は次のように定義しています。

「ゲーミフィケーションとは仕事を不真面目に、ふざけて楽しむということではない。人の本性に訴えかけて、人を動かすための仕組みだ」

ゲーミフィケーションの例として、ある「節電ゲーム」をご紹介しましょう。

「節電」でさえ、楽しくできる

「節電」と聞いて「ワクワクする」「心が躍る!」という人は、なかなかいないはず。けれども、ゲーミフィケーションを用いると「節電」でさえ、楽しくすることができるのです。

東日本大震災後、節電が叫ばれる中、「ツイッター」と連動した節電ゲーム「#denkimeter」が登場しました。

ユーザーが、自宅の電力メーターを1時間や1日ごとにチェックして、その数値をツイッターにつぶやくとともに公式サイトに入力すると、節電の「戦闘力」が算出されます。そして、ユーザー同士で獲得ポイントを競い合うという仕組みです。

このように、ゲーム的な要素は、社会をよくする活動の手段としても採用され始めています。この動きは一層広まりを見せることでしょう。

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